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墓じまいとは?しないとどうなる?費用や手続き、トラブル対策について解説

近年「墓じまい(お墓の解体・撤去)」をする方が急速に増えています。今までお墓は「ご先祖様から代々受け継いで守っていくもの」との考え方が一般的でした。しかし少子高齢化が進む今、お墓を継承するのは簡単ではなくなりました。また、親世代と子ども世代が離れて暮らしていることも珍しくなく、遠方にあるお墓の管理に悩んでいる方も多くいます。

その解決策の一つが、負担が少ない永代供養墓などに改葬する「墓じまい」です。この記事では、墓じまいにかかる費用や手続きに加え、注意しておくべきトラブル対策についてくわしく解説します。

墓じまいとはどういう意味?

墓じまいとは、お墓を解体・撤去し更地にしたうえで、墓地の管理者に土地を返還することをいいます。

改葬との違いは?

墓じまいとよく一緒に出てくる言葉に「改葬(かいそう)」があります。改葬とは、簡単にいうと「お墓のお引越し」のことで、墓じまいをした後に新しい墓地に埋葬することを意味します。 墓じまい後は、「永代供養墓」へ改葬するのが一般的です。

永代供養墓とは?

永代供養墓とは、遺族に代わってお寺や霊園が管理・供養してくれるお墓を指します。永代供養墓は、最初の契約時に永代供養料を支払うと、そのあとは年間管理費といった維持費がかからないのが一般的です。

墓じまいをすると、取り出した遺骨をどうするか考えなければなりません。その際、永代供養墓に改葬すると、お墓の跡継ぎの心配や、お墓の維持管理の負担がなくなるため、 墓じまいのあとは永代供養墓を選ぶ方が多いのです。

墓じまいをする方が増えている理由

ここでは墓じまいが増えている理由を6つに分けて紹介します。当てはまるケースがあれば墓じまいを検討することをおすすめします。

遠方にあるお墓を守るのが難しい

墓じまいをする理由で最も多いものは、遠方にあるお墓へなかなかお参りに行けず、管理が大変というケースです。

就職や結婚などを機にお墓のある故郷から離れて生活することは、今では珍しくありません。お墓参りの頻度が少なくなると雑草が生えたままになり、周りのお墓に迷惑をかけることもあります。自宅からお墓までのアクセスが悪いことは、 墓じまいを考える大きな理由となり得ます。

体力的にお墓参りに行くことが難しい

お墓がそこまで遠方ではない場合でも、年齢を重ねるごとにお墓参りに行くのが難しくなることもあります。

これまでは自分で車を運転してお墓参りへ行けていたけれど、だんだん体力的に厳しくなってしまい、墓じまいを検討される方も多いようです。

お墓の跡継ぎがいない(家族や子どもに負担をかけたくない)

結婚していない方や、子どもがいない方など、自分のあとにお墓を継いでくれる人がいない場合も、墓じまいを検討される方が多いようです。

また、子どもや孫がいても、将来負担をかけたくないと考える親世代が、生前に墓じまいをするケースも増えています。

複数のお墓を守る負担が大きい

結婚後、自分の家だけでなく、配偶者のご先祖様のお墓も管理するケースがあります。両家のお墓を守っていくのは大きな負担がかかります。

このようなケースでは、将来的に自分の子どもに今の自分と同じ負担をかけさせたくないとの思いから、墓じまいを検討することが多いようです。

墓じまいをしないとどうなるの?

お墓を管理する人がいなくなると、困ることが2つあります。

1つ目は、お墓の手入れが行き届かなくなり、隣接するお墓の所有者に迷惑をかけてしまうことです。雑草がはびこり侵入してくるのはやっかいですし、何より荒れ果てたお墓を見るのは、自分の家族のお墓でなくてもいい気持ちはしないでしょう。

2つ目は、そのまま放置されてしまうと、いずれお墓は誰にも継承されない無縁墓(むえんぼ・むえんばか)となってしまうことです。無縁墓になると、お墓が強制的に撤去されたり、遺骨が廃棄され二度と取り戻せなくなることもあります。

ご先祖様から代々受け継がれてきたお墓は、誰もが無縁墓にはしたくないと思うはずです。お墓の継承が本格的にできなくなる前に、墓じまいを検討しましょう。

墓じまいするメリット

墓じまいをするメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

お墓を管理・維持する負担がなくなる

墓じまいをする最大のメリットは、お墓を管理・維持する負担がなくなることです。お墓を管理するには、定期的に足を運んで雑草を抜いたり、墓石を磨いたりする必要があります。お墓が遠方にあればそれだけ負担も大きくなります。

そういった物理的な負担はもちろん、墓守としての心理的負担は大きなものです。 墓じまいをすれば、自分の継承者をどうするか、誰がお墓を守っていくのかなどを考える必要がなくなることは、大きなメリットといえるでしょう。

維持管理費の負担がなくなる

お墓を維持するためには、それなりの費用もかかります。例えば寺院墓地にお墓がある場合、年間管理費や護持会費を毎年支払うのが一般的です。

墓じまいをすれば、そういった費用の負担もなくなります。

無縁墓になる心配がなくなる

「墓じまいするメリット」でもお伝えしたように、継承者がいなくなったお墓は「無縁墓」となり、いずれ管理者に撤去されてしまいます。

代々受け継がれてきたお墓、ましてや自分も入るのであれば、いずれ無縁墓になるのではと心配するのは心が痛む方が多いでしょう。自分の手で墓じまいをしておけば、そのあとの管理の心配をしなくてよくなるので安心です。

墓じまいするデメリット

墓じまいをすることには、デメリットもあります。

親族とトラブルになる可能性がある

お墓の継承者が自分1人である場合を除き、 家族や親族に十分な相談をせずに墓じまいを進めると、トラブルに発展してしまうリスクがあります。

例え夫婦、親子であっても、ご先祖様やお墓に対する考え方は違うものです。ましてや親族が多ければ、さまざまな意見が出てまとめるのに苦労することも多いでしょう。

墓じまいを検討するときには、独断で進めるのでなく、家族や親族に墓守の負担や墓じまいをしたい理由を丁寧に説明して、よく話し合うことが大切です。

墓じまいの費用がかかる

墓じまいをするには、墓石を撤去したり更地にしたりする費用がかかります。また永代供養墓に改葬するのなら、そちらの費用も必要です。

改葬方法や遺骨の数によっては高額になる可能性があり、費用負担から二の足を踏んだり、誰がどのように費用を負担するかで揉めることもあるようです。

墓じまいや改葬の費用については、次章以降で解説します。

合祀・合葬すると遺骨を取り出せなくなる

墓じまいしたあとは、将来の維持管理の不安から解放されるために、永代供養墓に改葬するのが一般的です。ただし永代供養の埋葬方法のうち、合祀・合葬を選ぶときには注意が必要です。

合祀・合葬とは、遺骨を骨壷から取り出し、モニュメントや像の下に設けられた共用スペースに、他の人の遺骨と一緒に埋葬する方法です。合祀・合葬すると、ほかの人の遺骨と混ざるため、後から「やはり自分たちだけのお墓を建て、ご先祖様の遺骨を戻したい」と考えても、それはできません。

墓じまいのあとの遺骨の埋葬方法は、よく考えて決めましょう。

墓じまいにかかる費用の相場と内訳

墓じまいの相場は、墓地面積2㎡で、20~30万円程度が一般的です。内訳を解説します。

お墓の解体・撤去費用

墓じまいするときには、石材店などに依頼してお墓を解体・撤去する工事費用がかかります。平均相場は1㎡あたり10~15万円程度といわれています。お墓の大きさや作業方法、必要機材などによっても変わってくるので、事前に見積もりをとって確認しましょう。

閉眼供養(魂抜き)のお布施

閉眼供養とは、墓石から魂を抜く法要を指し、魂抜きともいわれます。開眼供養では、遺骨を取り出す際に僧侶に読経をしてもらい、3~5万円のお布施をお渡しします。

離檀料

お寺によっては、 墓じまいに際し、5~20万円程度の離檀料が必要になることもあります。離檀料とは、檀家をやめる際に、今までお世話になったお寺への感謝の気持ちを表すお礼として包むお布施です。離檀料についてはお寺によって考え方が違うため、不要な場合もあるので確認するようにしてください。

行政手続きにかかる費用

墓じまいをして新しい墓地に埋葬するためには、改葬許可証を役所で交付してもらう必要があります。交付のための諸々の手数料は0~1500円程度です。

新しい納骨先にかかる費用

墓じまいをしたあとの新しい納骨先に費用がかかります。納骨先として、どんな供養方法でどんなお墓を選ぶのかは、大きく差が出る部分です。

お寺や霊園に永代にわたって供養・管理してもらう永代供養のついている墓地に埋葬するケースがほとんどですが、永代供養にもさまざまな種類があり費用もかなり差があります。納骨先別の費用については、「墓じまい後の新しい納骨先や供養方法」で詳しく紹介します。

墓じまいの費用を抑える方法

墓じまいの費用を抑えたいと考えたときに、できることはあるのでしょうか。

費用が安い納骨先を選ぶ

先にお伝えしたように、新しい納骨先にかかる費用は、どのような方法を選ぶかによって大きく異なります。費用を抑えたい場合は、できるだけ安くおさまる納骨先を検討するとよいでしょう。

お墓の解体・撤去は相見積もりを取る

お墓の解体・撤去には定価がないため、依頼する業者によって費用が異なります。そのため費用を抑えたい場合には、複数の業者に見積もりを取り、比較するとよいでしょう。

ただし、お寺によっては提携している業者がいる場合もあります。そういったケースでは、無断でほかの業者に頼むとトラブルになる可能性があるため、あらかじめ確認するのが無難です。

補助金がないか調べる

近年、無縁墓が増えていることを受け、数は少ないものの補助金を出している自治体もあります。例えば千葉県浦安市では、市が運営する墓地公園の墓地を返還し、合葬式墓地に改葬する場合、墓石の撤去や更地にする費用として15万円を上限として補助金が交付されます。

現在のお墓が公営墓地にある場合、似たような制度がないか、お墓がある自治体に確認してみるとよいでしょう。

↓墓じまいの費用ついてくわしく知りたい方はこちらへ↓

墓じまい後の新しい納骨先や供養方法

墓じまいをしたあとの納骨先や供養方法には、さまざまな種類があります。

①合祀・合葬墓(石材型)
②集合墓(石材型)
③個別安置墓(石材型)
④樹木葬
⑤納骨堂
⑥永代供養付き一般墓(個人墓)
⑦散骨
⑧手元供養

それぞれどのような内容か、特徴や費用相場、メリット・デメリットを紹介します。

合祀・合葬墓(石材型):5~30万円

合祀・合葬墓は石材型の永代供養墓の一種で、モニュメントや塔の下に設けられた共有スペースに、骨壷から遺骨を取り出して、ほかの方の遺骨と一緒に埋葬するお墓です。スペースが少なくてすむため、費用相場は5~30万円程度です。

メリット

費用を大幅に抑えながら、永代供養を受けられることが、合祀・合葬墓の最大のメリットです。

デメリット

合祀・合葬はほかの方の遺骨と一緒に埋葬されることに抵抗感を覚えたり、お参りにきた際に手をあわせる対象が明確ではないことに寂しさを感じる方も多いようです。また合祀・合葬されると、あとで特定の遺骨を取り出せないこともデメリットです。合祀・合葬を選ぶかどうかは、家族や親族でよく話し合う必要があるでしょう。

②集合墓(石材型):20~50万円

集合墓は、埋葬方法が集合安置の、石材型の永代供養墓です。モニュメントや像の下の共有スペースに設けられた棚などに、骨壷のまま安置します。費用相場は合祀・合葬墓よりは上がり、20~50万円程度です。合祀・合葬墓と同様に家族や親族と慎重に相談するとよいでしょう。

メリット

集合型は合祀・合葬型と違い、骨壷のまま安置するので、ほかの方の遺骨と混ざることがないのがメリットです。

デメリット

骨壷のまま安置されるものの、ほかの方と共有のスペースに埋葬されることや、個人や一族の墓標がないため手をあわせる対象が漠然としていることに抵抗がある方もいます。

③個別安置墓(石材型):50~120万円

個別安置墓(石材型)は、個人や家族で個別に眠るスペースが用意された、石材型の永代供養墓です。個別のスペースがあるため、費用相場は50~120万円と、石材型の永代供養墓のなかでは最も費用が高くなります。

メリット

屋外にあり、石でできていることや、完全個室に家族だけで眠れることなど、今までのお墓の特徴が保たれていることが大きなメリットです。個別安置が可能ですが、永代供養墓であるため、年間管理費などの維持費もかからず、永代にわたってお寺や霊園に管理してもらえる点も安心です。

デメリット

昔ながらの一般墓よりは大幅に費用が抑えられるものの、ほかの永代供養墓と比べると安くはありません。また、個別安置であっても、33回忌を目処に合祀・合葬されるところが多いです。あらかじめお寺や霊園に確認しておく必要があるでしょう。

↓合祀されない永代供養墓が気になった方はこちら↓

④樹木葬:5~100万円

墓石の代わりに樹木を用いたり、埋葬場所が草花に囲まれているような永代供養墓です。自然志向な点や永代供養であることから、近年人気があります。埋葬人数や埋葬方法によっても変わりますが費用相場は5~100万円です。

なお樹木葬では、骨壷に入れて埋葬するケースもありますが、そのコンセプトから骨壷ではなく、自然に還る骨袋に入れて埋葬(土葬)するのが一般的です。合祀・合葬、集合埋葬、個別埋葬と、埋葬方法はお墓や各墓地によって異なります。

なお骨壷に入れて安置した場合でも、あらかじめ決められた安置期間を過ぎると、合祀・合葬されることがほとんどです。その点も踏まえ、よく検討するとよいでしょう。

↓個別型の樹木葬が気になった方はこちら↓

メリット

昔ながらの石でできたお墓と比べると、緑に囲まれた明るい雰囲気があることがメリットです。自然に包まれ、最後は土に還りたい方に向いています。

デメリット

樹木や草花は自然のものであるため、枯れる可能性があります。枯れた場合はお寺や霊園が新たに植樹するのが一般的ですが、そのまま自然に還すこともあるようです。気になるときには、枯れたときにどのような対応をするのかあらかじめ確認しておくと安心です。

⑤納骨堂:20~150万円

納骨堂は、遺骨を専用のスペースに納骨できる屋内施設です。永代供養がついている施設も多く、ロッカー式や仏壇型、自動搬送式などさまざまな種類があります。費用相場は20~150万円です。

メリット

屋内にある天候に左右されず、冷暖房や照明、バリアフリー設計など設備が整っているため、快適にお参りできることがメリットです。

デメリット

昔ながらのお墓の雰囲気と大きく変わることから、風情を感じられないという方もいるようです。また、屋内施設の運営には管理コストが必要なため、永代供養がついていても年間管理費がかかるところもあります。事前に確認しておくとよいでしょう。

⑥永代供養付き一般墓(個人墓):100~150万円

昔ながらの一般墓と全く同じもので、永代供養がついているお墓もあります。大きな墓石を用い、形状は一般墓と変わらないため、費用相場は永代供養墓のなかで最も高く、100~150万円程度です。

メリット

今までのお墓と同じようにお参りできます。時代にあわせて新しいタイプのお墓が増えていますが、やはり昔ながらのお墓が安心できるという方に向いています。

デメリット

個人墓であっても、13年、33年など一定期間を過ぎると合祀になります。合祀されるまでの期間は年間管理費がかかるところが多いので確認が必要です。

⑦散骨:5~70万円

散骨は、パウダー状に粉骨した遺骨を海や山などに撒く供養方法です。最近ではバルーン葬や宇宙葬など、空や宇宙に散骨する方法もあります。費用相場は、主流である海洋散骨の場合、5~50万円と差があります。

業者に代理で散骨を行ってもらう場合が最も安く、船をチャーターし、ほかの方と合同でおこなうのか、ひと家族のみ貸し切りの船でおこなうのかによって費用は変わってきます。また空中散骨や宇宙への散骨となると、50万円以上かかるのが一般的です。

メリット

自然に還ることができる点や、維持管理の必要が一切ないことがメリットです。また、お墓に納骨するよりも費用を抑えられます。

デメリット

散骨はどこでもできるわけではなく、法律的にはグレーゾーンに当たります。また散骨したあとには、手元に何も残りません。手をあわせる場所がないことにあとで寂しさを感じ、後悔してしまう遺族もいます。

⑧手元供養:数百~10万円

手元供養は、小型の骨壷や専用のアクセサリー、写真立ての中に遺骨の全部、または一部を納めて手元に保管しておく供養方法です。たくさんの種類があるため、数百円から10万円まで費用もさまざまです。

メリット

お墓参りに行かなくても、いつでも故人を自分のそばで感じられることがメリットです。

デメリット

いつでもそばにいるからこそ、悲しみが癒えないこともあります。また将来的に家族や子ども世代が遺骨の取り扱いに困ることもあるでしょう。

墓じまいの流れ・手順と必要な手続き

実際に墓じまいをする際は、どんな流れで何をするのか解説します。

①家族や親族と相談をする

墓じまいをスムーズに進めるには、まずは家族や親族の理解を得ることが最も重要です。お墓は自分だけでなく、故人や先祖のことを思う家族や親族全員に関わりのあるものだからです。墓じまいをしたい理由や背景をていねいに説明し、相談するとよいでしょう。

②墓地管理者に墓じまいの相談をする

墓じまいをするためには、お墓の管理者の許可が必要です。墓じまいを検討していることを伝え、理由や背景をていねいに説明しましょう。 墓じまいの了承を得たら、そこに遺骨があることを証明する「埋蔵証明書」を発行してもらいます。

③新しい納骨先や供養方法を決める

墓じまいをしたあとに必要となる、新しい納骨先の墓地や供養方法を決めましょう。お墓を決める際は実際に足を運び、アクセスや環境などを自分の目で確認することが大切です。

契約し費用を支払ったら、改葬を受け入れることを了承する「受入証明書」を発行してもらいましょう。

新しい納骨先の種類や費用は、「墓じまい後の新しい納骨先や供養方法」で詳しく紹介しています。

④役所で改葬許可証を取得する

墓じまいをするお墓がある市区町村の役所で、改葬許可証を取得しましょう。改葬許可証の交付には下記の3つの書類が必要です。

・改葬許可申請書:役所に改葬(お墓の引越し)の許可を申請するもらうための書類
・受入証明書:新しい墓地管理者が発行する受け入れを証明してもらう書類
・埋蔵証明書:墓じまいをする墓地管理者が発行する遺骨があることを証明してもらう書類

上記の書類を3つ揃えて提出すると改葬許可証が交付されます。

⑤閉眼供養(魂抜き)をして遺骨を取り出す

既存のお墓から魂を抜く閉眼供養をおこなってもらい、遺骨を取り出しましょう。この際に墓地管理者に改葬許可証を提示します。

⑥お墓を解体・撤去して墓地を返還する

墓地は更地にして管理者へ返還する必要があります。石材店などの業者に依頼し、お墓を解体する撤去工事をおこないましょう。撤去工事の際には改葬許可証を提示します。

⑦新しい納骨先で納骨法要をする

新しい納骨先のお墓で開眼供養、または納骨法要をおこない納骨してもらいましょう。納骨する際には、改葬許可証を提出します。

↓墓じまいの手続きについてくわしく知りたい方はこちらへ↓

墓じまいでよくあるトラブルと対策

最後に、墓じまいをするうえで注意しておきたいトラブルと、その対策を紹介します。

親族とのトラブル対策

お墓のことは、自分がよくても家族や親族がそう思わないケースも多くあります。あまり相談せずに進めると、親族の間で大きなトラブルに発展してしまうこともあるので注意しましょう。

まずは墓じまいをしたい理由や背景をていねいに説明し、話し合うことが大切です。もし、故郷にはお墓を継いでいける親族がいるが、自宅の近くにお墓を移したいといったケースでは、遺骨を分けて複数の場所に納める「分骨」をすることで解決できるかもしれません。

お寺とのトラブル対策

お墓の管理者であるお寺へ相談せずに墓じまいを進めた場合も、トラブルが起こることがあります。なかには高額な離檀料を請求されて、裁判にまで発展してしまうケースもあるので十分に注意しましょう。

代々、お墓を守ってくれた菩提寺へ感謝の気持ちを忘れずに、墓じまいをしたい背景や理由をていねいに説明することが大切です。

石材店とのトラブル対策

石材店によっては、高額な費用を請求されることもあります。無用なトラブルを避けるために、できれば複数の業者から相見積もりを取るとよいでしょう。また、お寺や霊園によっては、指定の石材店があるため事前に確認することも大切です。

↓墓じまいの後悔事例を知りたい方はこちらへ↓

まとめ

少子高齢化や核家族化によってお墓の継承が難しくなっている今、墓じまいはお墓のトラブルを解消する選択肢の一つです。 墓じまいしたあとには新たな納骨先を探す必要がありますが、今後の継承の問題などを考えると、永代供養を検討することをおすすめします。

墓じまいはほとんどの方が経験のないことであり、非常にセンシティブな問題であるため、家族や親族、お寺とよく相談して進めることが大切です。

なお全国永代供養墓・樹木葬グループでは、 墓じまいをして永代供養墓への改葬をご検討の方のご相談に応じております。お墓についてお悩み・お困りごとがある方は、どうぞ気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

記事を書いた人の写真

小原 崇裕

2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。