浄土宗の墓じまいで費用を抑える5つのポイント!流れや注意点まで解説
浄土宗の墓じまいの費用はいくらぐらい必要で、どんな手順で進めたらいいのか、お付き合いのあるお寺へは何と言えばいいのかなど、迷っている方もいらっしゃるでしょう。
墓じまいで費用を抑えて満足できるようにするにはコツがあるため、この記事では浄土宗の方が知っておきたい5つのポイントについて解説します。
墓じまいのメリットとデメリットや、浄土宗の墓じまいの流れや手順まで、分かりやすくまとめて解説しますので、どうぞご参照ください。
浄土宗の墓じまいとは?
浄土宗の墓じまいについて、知っておくべき基礎知識を解説します。
浄土宗のお墓の特徴
浄土宗のお墓には特徴があり、昔ながらの縦型の墓石では「南無阿弥陀仏」「倶会一処」と彫刻されていることや、阿弥陀如来を表す梵字が刻まれていることが多いです。
似たような名前の宗派でも浄土真宗は梵字を用いず、そのほか「○○家之墓」といった家名や、洋型の墓石では「○○家」「和」「心」など、好きな文字を彫刻する場合もあります。
墓じまいとは何か?
墓じまいとは、不要なお墓を処分することをいい、浄土宗などのお寺の場合、墓石を解体撤去して更地へと戻し、墓地の利用区画を寺院へ返還しなければなりません。
墓地の土地は借りているのと同じで、永代使用権は不要だからといって、ほかの方へ売却することや貸すことができないためご注意ください。
墓じまい後におこなう永代供養とは?
墓じまいでは納骨されている遺骨を取り出して永代供養する必要があり、永代供養とはお墓を所有せず、霊園や寺院へ遺骨の管理や供養を委ねる仕組みのことをいいます。
最新の調査結果によると、お墓の購入者のうち約65%の方が跡継ぎのいらない永代供養を選んでおり、約48.7%のシェアを占める樹木葬など種類も豊富です。
出典:【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向(いいお墓)
浄土宗の墓じまい費用総額
目的 | 相場費用 |
墓じまい | 約20~70万円 |
永代供養 | 約5~250万円 |
総額 | 約30~300万円 |
浄土宗の墓じまいにかかる費用総額は、約30~300万円です。お墓の撤去費用は約20~70万円ですが、遺骨の移動先の改葬費用が約5~250万円必要となります。
浄土宗の墓じまい費用の内訳
浄土宗の墓じまい費用の内訳について、具体的な金額と内容を解説します。
内訳 | 費用 |
墓石の解体撤去費用 | 約20~50万円 |
閉眼供養 | 約3~5万円 |
離檀料 | 約5~20万円 |
行政手続き費用 | 約0~1,500円 |
総額 | 約20~70万円 |
墓石の解体撤去費用:約20~50万円
墓石の解体撤去の工事費用は約20〜50万円で、平均相場は1㎡あたり約10〜15万円が相場です。環境や構造によって異なるため、石材店から事前に見積もりを取得しましょう。
閉眼供養:約3~5万円
閉眼供養とは、墓石から遺骨を取り出す前におこなう読経供養で、墓石に宿ったご先祖や故人の魂抜きをするには、約3万円〜5万円のお布施が必要です。
離檀料:約5~20万円
離檀料とは、墓じまいによって檀家関係を解除するために必要なお布施のことをいい、お世話になった謝礼として、約5~20万円を包むのが一般的で、不要なケースもあります。
行政手続き費用:約0~1,500円
墓じまいによって遺骨を改葬するためには、お墓を管轄する役所で「改葬許可証」を交付してもらわなければならず、行政手続きに必要な費用は0~1,500円程度です。
墓じまい後におこなう永代供養の費用
墓じまい後に永代供養する際に必要となる費用について、内訳と具体的な金額や内容を解説します。
内訳 | 費用 |
永代供養料 | 約5~150万円 |
墓石・名板・彫刻代 | 無料~約40万円 |
年間管理費 | 無料~約3万円 |
納骨手数料 | 約2~5万円 |
納骨法要料 | 約3~5万円 |
総額 | 約5~250万円 |
永代供養料:約5~150万円
永代供養料とは、遺骨の委託契約における費用にあたり、永代供養墓の種類や埋葬方法、納骨人数などによって、約5~150万円と幅広い費用となっています。
永代供養墓による価格の違いや、費用を削減するコツは後述にて詳しく解説しますので、無駄な出費を省くようにしましょう。
墓石・名板・彫刻代:無料~約40万円
永代供養では墓石や名板を使用する場合があり、彫刻代ともども最大40万円程度の費用負担が生じるケースがあり、石種や加工、彫刻する文字数によっても費用は異なります。
年間管理費:無料~約3万円
永代供養墓によっては管理費がかかる場合があり、年間あたり最大3万円程度の負担が必要となるケースがあります。
納骨手数料:約2~5万円
永代供養へ遺骨を納骨する際は、一般的に1名あたり約2~5万円程度の納骨手数料が必要となります。
納骨法要料:約3~5万円
遺骨を納骨する際は、読経による納骨式をおこない、お布施として約3~5万円を包むのが一般的です。
永代供養墓による費用の違い
永代供養の種類による費用の違いは、次のとおりとなっており、それぞれの永代供養墓の特徴について詳しく解説します。
種類 | 費用 |
合祀・合葬墓 | 約5~30万円 |
集合墓 | 約20~50万円 |
個別安置墓 | 約50~120万円 |
樹木葬 | 約5~100万円 |
納骨堂 | 約20~150万円 |
永代供養付き一般墓 | 約100~150万円 |
合祀・合葬墓(石材型):約5~30万円
合祀(ごうし)や合葬墓とは、亡くなった方の遺骨をほかの方々の遺骨と一緒に土へ還す埋葬方法のことをいい、費用としては最も安価な永代供養墓となります。
ただし、ほかの方々と遺骨が混ざってしまうため、埋葬後に後悔をしないよう、慎重な判断が必要です。
集合墓(石材型):約20~50万円
集合墓とは、共有の納骨スペースへ骨壷などに納めた遺骨を複数まとめて保管する永代供養墓のことをいい、遺骨そのものが混ざることはありません。
しかし、一定期間後に合祀される場合が多く、お参り場所が正面1ヶ所のみしかなく混雑するケースがあるため、あらかじめ確認が必要です。
個別安置墓(石材型):約50~120万円
個別安置墓とは、ほかの契約者と保管場所が区切られている納骨方法で、個人のみならず、夫婦や複数名の家族と納骨ができるマンション型の永代供養墓です。
一定期間後に合祀されるタイプのほか、合祀せずに永代にわたって利用できるタイプもあるため、契約前に利用期間を確認しましょう。
↓マンション型の個別安置墓(石材型)について知りたい方はこちらへ↓
樹木葬:約5~100万円
樹木葬とは、樹木や草花の自然環境へ納骨する永代供養墓のことをいい、郊外の山林に埋葬する里山型と、霊園や寺院などにある花壇やガーデニング風の都市型とがあります。
合祀・集合・個別といった埋葬方法があり、利用期間や納骨できる人数、年間管理費の有無は樹木葬によってそれぞれ異なるため、必ず事前に確認してください。
↓個別安置型の樹木葬について知りたい方はこちらへ↓
納骨堂:約20~150万円
納骨堂とは、屋内にある納骨施設のことをいい、ロッカー型・位牌型・仏壇型・自動搬送型と、形状はさまざまなタイプがあります。
利用期間や納骨人数は納骨堂によって異なり、一般的に年間管理費が必要なケースが多いため、事前に確認しましょう。
永代供養付き一般墓(個人墓型):約100~150万円
永代供養付き一般墓とは、昔ながらの単独の墓石に永代供養がついたお墓のことをいい、一定期間後に合祀されることが一般的です。
従来のお墓と同様に一定区画を使用することが可能で、年間管理費が必要なケースが多い一方で、基本的に代々にわたって子孫へ継承することができないためご注意ください。
またそれぞれの永代供養墓についてよりくわしく知りたい方は、下記をご覧ください。
↓それぞれの永代供養墓についてよりくわしく知りたい方はこちら↓
浄土宗の墓じまいのメリットとデメリット
浄土宗の墓じまいには、次のような4つのメリットと2つのデメリットがあります。
メリット
・無縁墓になる心配がなくなる
・お墓の維持管理にかかる費用や負担を軽減できる
・子どもへの負担を軽減できる
・近隣へお墓を改葬することで気楽にお参りができる
デメリット
・親戚トラブルが起こる可能性がある
・一時的な費用負担が必要になる
浄土宗の方が墓じまいで永代供養をする3つの方法
浄土宗の方が墓じまいで永代供養をするには、次の3つの方法があります。
永代供養墓のある浄土宗のお寺を探す
浄土宗の方が墓じまいする際は、永代供養墓のある浄土宗のお寺へ改葬することが最良なため、具体例としておすすめの浄土宗の永代供養墓をご紹介します。
世田谷霊園 大吉寺(東京都世田谷区)
・住所:東京都世田谷区世田谷4丁目7-9
・交通アクセス:東急世田谷線「世田谷駅」徒歩2分
・費用:個別安置墓(無制限)78万円~
浄土宗の大吉寺には、人気の合祀しない個別安置墓があり、大人数の納骨も対応可能なため、墓じまいにも最適でおすすめです。
駅からわずか徒歩2分の距離にあり、いつでも気軽にお参りしやすい交通アクセスで、良心的で親切な対応が評判のお寺のため、相談ごともしやすく安心できるでしょう。
↓世田谷 霊園大吉寺についてよりくわしく知りたい方はこちら↓
金沢霊園 極楽寺(石川県金沢市)
・住所:石川県金沢市寺町5丁目5-12
・交通アクセス:金沢駅より北鉄バス「広小路バス停」徒歩1分
・費用:個別安置墓(無制限)59万円〜・樹木葬(6名まで)39万円〜
浄土宗の極楽寺には、人数無制限で納骨できる個別安置墓と、6名まで納骨できる樹木葬があり、いずれも合祀しない人気の永代供養墓として人気を集めています。
バス停から徒歩1分の便利な交通アクセスと整備されたバリアフリー設計で、車椅子の方もお参り可能です。親切・丁寧なご住職も評判がよく、開けたお寺のためおすすめです。
↓金沢霊園 極楽寺についてよりくわしく知りたい方はこちら↓
清浄華院(大本山・京都府京都市)
・住所:京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町395
・交通アクセス:京都駅より市バスにて「府立医大病院前バス停」徒歩5分
・費用:合祀・合葬墓(複数名の改葬)50万円~
浄土宗の本山の清浄華院では、合祀による永代供養の受け付けをおこなっており、ほかの寺院からの改葬も可能です。
そのほか、東京都の増上寺など、全国の浄土宗の本山では永代供養を受け付けているお寺があるため、気になる方は調べてみるとよいでしょう。
宗旨・宗派不問の寺院墓地や霊園の永代供養墓を探す
浄土宗にこだわりがない方は、宗旨・宗派不問の寺院墓地や、霊園の永代供養墓を探してみるのも1つの方法です。
お参りのしやすい自宅周辺の霊園や墓地の永代供養墓を調べてみるほか、気になる永代供養墓の種類を優先して探し、ぜひお気に入りの永代供養墓を見つけてください。
浄土宗の墓じまいの手順
浄土宗の墓じまいと遺骨の改葬について、スムーズに進める流れと手順を解説します。
①親族と話し合って同意を得る
浄土宗の家系では、お寺とのお付き合いやこだわりにより、親族から墓じまいや永代供養へ反対される場合もあるため、しっかりと話し合って同意を得るようにしましょう。
②寺院へ墓じまいの相談をして承諾を得る
お付き合いのある寺院へは、あらかじめ費用や継承における心配事を時間をかけて相談し、墓じまいや離檀について承諾してもらいやすいようにしておく心がけが大切です。
③遺骨の改葬先を決める
遺骨の改葬先については、お寺の了承を得てから検討します。改葬先を選ぶときは、必ず事前に現地見学と見積もり取得をして、トラブルが起こらないようにご注意ください。
④墓じまいする石材店を決める
墓じまいでは重機が必要なため、石材店や工務店へ墓石の撤去工事を委託しますが、お寺によっては指定石材店が決められているケースもあるため、あらかじめご確認ください。
⑤墓じまいの行政手続きをおこなう
墓じまいの行政手続きは、次の手順でおこなうと二度手間にならずスムーズです。
・墓じまいするお墓を管轄する役所から「改葬許可申請書」を入手し、必要事項を記入する。
・墓じまいをするお墓の管理者から「埋蔵(埋葬)証明書」(所有者以外の方は「改葬承諾書」も必要)を入手する。
・新たな供養先のお墓の管理者から「受入証明書」を入手する。
・役所へ必要書類を提出して「改葬許可証」を発行し、新たな供養先へ提出して納骨する。
⑥閉眼供養をおこなって遺骨を取り出す
墓石の魂抜きの儀式となる閉眼供養をおこなってから、工事業者へ遺骨を取り出してもらいます。閉眼供養では親族へも参列してもらい、会食をおこなうケースが多いです。
⑦墓石を解体撤去して墓地を更地にする
墓石の解体撤去工事をして、墓地の区画を更地に戻します。工事への立ち会いは不要なため、完了したら連絡をもらうようにしましょう。
⑧墓地の返還手続きをする
工事が完了したら、墓地へ永代使用権の返還手続きをおこないます。お寺へは最後にお世話になったお礼の挨拶をしっかりとしましょう。
⑨新たな供養先へ改葬許可証を提出して納骨する
墓石から取り出した遺骨は、新たな供養先へ改葬許可証を提出して納骨します。永代供養では一般的に納骨式をおこなうため、納骨先の指示に従って準備してください。
↓墓じまいの流れについてよりくわしく知りたい方はこちら↓
浄土宗の墓じまいで費用を抑えて満足できる永代供養を選ぶ5つのポイント
浄土宗の墓じまいで、費用を抑えて満足できる永代供養を選ぶ5つのポイントをご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。
複数の遺骨を納骨できる
永代供養は1名では安価でも、複数名の納骨になると高額な費用負担になる場合が多くあるためご注意ください。
墓じまいでは、あらかじめ業者へ何体の遺骨が納骨されているかを確認してもらい、人数に適した永代供養墓を選択することで、総額の納骨費用を削減できるケースが多いです。
合祀しない永代供養墓
合祀しない永代供養墓には安価な費用のお墓もあり、手を合わせるお墓があることは、子どもや孫たちの精神の成長にも役立つため、合祀に関しては慎重に検討してください。
管理費や寄付金がかからない
管理費や寄付金の有無は、家族への負担にも関わる問題です。とくに年金生活など、高齢になった場合の支払いまで踏まえて、慎重に判断しましょう。
寺院の境内でしっかりと永代供養している
浄土宗のように熱心に供養してもらっている宗派の方は、墓じまい後も手入れの行き届いた寺院の境内で供養していただいた方が先々への不安がなく安心です。
駅近などにありお参りしやすい利便性
駅近やバス停の近く、自宅周辺など、高齢になってからもお参りがしやすい場所にある永代供養墓なら、いつでも手を合わせることができて安心です。
まとめ
浄土宗の墓じまいの費用について解説しましたが、失敗や後悔を防ぐには、費用を抑えて満足できる永代供養墓を選ぶ5つのポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。
全国永代供養墓・樹木葬グループでは、浄土宗の寺院や宗旨宗派不問のお寺にある、合祀しない永代供養墓や、季節を問わず美しい花々を楽しめる華やかな樹木葬をご案内しています。
資料請求や見学予約を無料で承っており、墓じまいや改葬の無料相談にも対応していますので、どうぞお気軽にお問い合せください。
この記事の監修者
小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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