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【独自調査】樹木葬の実態 利用者の声と後悔しない選び方

【独自調査】樹木葬の実態 利用者の声と後悔しない選び方

近年、新しい供養のかたちとして急速に広まっている「樹木葬」。自然に還ることができる、費用が抑えられるといったイメージから検討する人が増えていますが、その実態を知らずにイメージだけで契約を進めてしまい、後悔するケースも少なくありません。

この記事では、当社が実施した1000名以上の契約者データを対象とした独自調査と、実際の利用者の生の声を徹底分析し、パンフレットには載っていない樹木葬のリアルな実態を解明します。

データと本音から見えてきた、後悔しないお墓選びの最適解とは何か、これから樹木葬を検討する方が知っておくべき判断材料を包み隠さずお伝えします。

【基本情報】樹木葬の種類と費用相場

まずは、樹木葬の基礎知識を整理します。一口に樹木葬と言っても、その形態や費用は大きく異なります。

立地による違い:「都市型」と「里山型」

樹木葬は環境によって大きく2つに分けられます。

都市型

樹木葬のうち「都市型」とは、寺院の境内墓地や霊園の一角に植えられたシンボルツリーや芝生や草花が植えられた公園のようなスペースに遺骨を埋葬するタイプです。

シンボルツリーの周囲や草花の下に合祀・集合埋葬するほか、石碑や墓誌を設置して個別埋葬することもあります。

都市型の樹木葬をおこなうお寺や霊園は、都市部や駅近などアクセスがいい場所にあるため地価が高く、里山型と比べると費用は高くなる傾向があります。しかし立地がいいことからお墓参りしやすく、近年多くの方に選ばれています。

里山型

「里山型」とは、墓地の許可を受けた山林など広大な敷地でおこなう樹木葬です。

多くの方を一つの場所に合祀・合葬、集合埋葬する場合もありますが、自生している樹木、あるいは一区画に1本ずつ樹木を植えた周りに、個別埋葬することが多いのが、里山型の特徴です。自然に還るという意味では、都市型よりも里山型のほうが、樹木葬のイメージに近いでしょう。

里山型は費用を抑えられますが、広い敷地が必要になるため立地が郊外になるケースが多く、お墓参りがしにくくなります。また自然のなかゆえに火気厳禁で、線香や献花ができないなど、従来のお参りができないこともデメリットです。

費用相場と内訳

一般的な墓石のお墓の平均購入額が150~350万円程度であるのに対し、樹木葬の相場は5~100万円程度と比較的安価です。ただし、樹木葬の費用は埋葬方法や埋葬人数によって大きく異なります。

埋葬方法別の費用相場

合祀・合葬型: 5〜30万円

遺骨を骨壷から取り出し、他の方と一緒に埋葬するタイプの樹木葬です。最も費用を抑えられますが、遺骨が他の方と混じってしまい、後から遺骨を取り出すことはできません。

集合埋葬型: 20〜50万円

シンボルツリーや墓誌を他の方と共有し、骨壷または骨袋のまま共有スペースに埋葬するタイプの樹木葬です。遺骨自体は別々に保管されますが、お参りの目印は共有となります。

個別埋葬型: 40〜100万円

シンボルとなる樹木や墓誌、プレートなどが1人1つ、または1家族に1つずつ独立したスペースがあるの樹木葬です。樹木葬のなかでは費用が安い方ではありませんが、自然に包まれながら自分や家族だけで眠りたいといった方におすすめのタイプです。

ただし、13年、33年など一定の個別埋葬期間が設けられていて、それ以降は合祀(ほかの方と一緒に埋葬)されるところも少なくありませんので、事前に確認しましょう。

主な費用の内訳

樹木葬にかかる費用は主に以下の4つで構成されています。

永代供養料(使用料含む): 遺骨を埋葬するスペースの費用と、永代にわたる管理・供養の費用。樹木葬全体の費用の大部分を占めます。

納骨法要料: 納骨の際に僧侶にお渡しするお布施。相場は3〜5万円程度です。

彫刻料: 墓誌やプレートに名前を彫る費用。相場は3〜5万円程度です。

年間管理費: 樹木葬では基本的に不要なことが多いですが、一部の施設では草木の管理費として年間管理費が発生する場合があります。契約前に必ず確認しましょう。

↓樹木葬の費用についてくわしく知りたい方はこちら↓

【独自調査】データが示す樹木葬の「実態」。利用者が重視するポイントとは

全国永代供養墓・樹木葬グループにお寄せいただいた1000件以上の実際の契約者データを分析すると、樹木葬を選ぶ方が本当に重視しているポイントが浮き彫りになりました。

最重要項目は「アクセスのよさ」

樹木葬では「自然豊かな場所」が選ばれるイメージもありますが、実際の契約データの多くで「自宅から近い」「駅やバス停から徒歩圏内」という理由が重視するポイントのトップに挙がっています。

高齢になっても自分でお参りに行けること、家族が車を持っていなくても訪れやすいことは、樹木葬選びにおいて重要な条件となっているようです。

「デザイン」と「日当たり」へのこだわり

樹木葬の希望者からは「暗い・ジメジメしているのは嫌」という声も多く挙げられています。霊園特有の寂しい感じがしない、花が咲いていて明るい、日当たりがよいといった、明るい雰囲気を重視する声がとても多いです。

実際、見学時に「日当たり」や「雰囲気」をチェックしている方は非常に多く、写真だけでは判断できない現地の印象が、樹木葬を選ぶ上ではとても大事な要素となっています。

「子孫への負担をかけたくない」という想い

逆に、檀家制度などのお寺とのご縁への関心は比較的低く、「寄付金・管理費なし」「入檀不要」といった、将来的な負担のなさが強く支持されています。

挙げられた声によると「お寺との付き合いが面倒」というよりも、「子供や孫に金銭的・精神的な負担を残したくない」という配慮が強く見られます。

埋葬単位で見たお墓の種類

ここからは、実際に樹木葬を契約された方の生の声を紹介します。

分析の結果、樹木葬=後継者がいない人のためのお墓というわけではないことがわかりました。

後継ぎがいないから樹木葬というわけではない

樹木葬は後継者がいない人のためのもの、というイメージを持つ方も多いようです。しかし、当グループの独自調査では、樹木葬購入者のうち、後継ぎが「いない」と回答した割合は45%、対して「いる」と回答した割合は55%で、実は後継者がいる人の方がわずかに多いことが判明しました。

ケース① 後継者がいない

海外に住む家族、独身の子供、そして離婚や単身といった現代のさまざまな家族事情の結果、樹木葬という選択に魅力を感じる人が多いようです。

 「子どもがいないので兄と自分も一緒に入る予定。」(女性/75歳)

 「息子が独身で墓を継ぐ人がいないので、先祖代々の墓の墓じまいを考えていた。」(女性)

 「離婚し独り身になった。今後のことを考えて。」(男性)

ケース② 後継者はいる

お子様がいらっしゃる場合でも、「迷惑をかけたくない」「自由にさせたい」という親心が樹木葬を選択される背景にあります。

 「息子や娘は東京に住んでおり、お墓を継いでくれるかわからないから」(男性/67歳)

 「子どもに負担をかけたくない。後の世代に負担がかからない点がよかった。」(女性/68歳)

 「実家のお墓が埼玉の山の中にある。兄が亡くなったのを機に、管理が大変なので墓じまいを決めた。」(男性)

 「能登のお墓が震災にあったため、こちらへの移動を決めた。」(男性/68歳)

子供が遠方に住んでいる、実家のお墓が管理困難な場所にある、災害による移転など、後継者がいても樹木葬を選ぶ理由はさまざまです。共通しているのは、「次の世代に負担を残さない」という思いやりです。

故人を想う選択:「花が好きだった母のために」

故人を想う選択:「花が好きだった母のために」

故人の思いを叶えるために樹木葬を選択したという声も多いです。

 「亡くなった母が生前から樹木葬を希望していた。」(女性/53歳)

 「お花が好きな母親のために、お花が綺麗に咲いた樹木葬を探してあげたかった。」(男性/58歳)

 「母が花が好きだったので樹木を選んだ。」(男性/55歳)

 「両親に申し訳ない気持ちがあるため、せめてもお花などが好きだったから、樹木葬にしてあげたかった。」(女性/64歳)

 「夫の希望が樹木葬だった。」(女性)

個人の生前の希望や好み、そして残された方の故人への想いが、樹木葬という選択につながっています。花に囲まれた明るい場所で眠ってほしいという気持ちは、多くの遺族に共通する願いのようです。

譲れない条件

ほかにも利用者が最終的に「ここだ」と決断した決定的な理由、譲れない条件を見てみましょう。

1.合祀にならないこと

知らない誰かと遺骨が混ざる「合祀」を避ける傾向は強くあります。

 「合祀にならないことが一番良かった。また徒歩圏内でお参りに行けることも。」(女性/45歳)

 「色々見て回ったが、期限で合祀になることがずっと引っかかっていた。そういった心配がないので安心。」(男性/60歳)

一定期間後に自動的に合祀される樹木葬は多いですが、個別のまま永代供養されることを求める声も実は大きいです。

2.デザイン・雰囲気

写真映えだけでなく、実際の管理状況を見た印象も重要な判断基準です。

 「他の樹木葬に比べて綺麗だった」(男性/87歳)

 「家から最も近い樹木葬を見学したが、人工芝であまり良くなかった。ここは天然で手入れも綺麗で、また円形なので雰囲気も良かった。」(女性/65歳)

複数の施設を比較検討した結果、実際の管理状態や雰囲気のよさが決め手になっていることも多いようです。

3.自然に還りたい

 「土に還ることができる点」(男性/64歳)

 「神道なので、土に戻っていくのであれば仏教のお墓でも良いと思った。逆にお経を上げられないのがむしろよかった。」(男性/67歳)

樹木葬が選ばれる理由としては、「自然に還る」という思いへの共感もあるようです。

4.立地・環境

 「駐車場から本堂、お墓までのアプローチがフラットなところ、日当たりの良いところなども(重視した)。」(男性/53歳)

 「駅から歩けるところがよかった。山の中ではなく、斜面でもなく、日当たりが良いところがよかった。」(男性)

段差のない道などバリアフリーな環境が整っているか、お墓参りの快適さも重要な判断基準です。

【後悔事例】契約前に知るべきデメリットと「リアルな不安の声」

樹木葬選びで失敗しないためには、メリットを見つけるだけではなく「不安要素」を先にチェックおくことも重要です。

実際の利用者が契約前に抱いていた懸念点を確認してみましょう。

樹木葬の懸念点① 樹木や施設の維持管理:「災害や劣化への対応は?」

自然を相手にする以上、樹木の枯死や災害時の対応は避けられない課題です。また、寺院内に設置されている場合、将来的な移転の可能性を心配する声もあります。

 「樹木が壊れた時はどうなるのか」(女性/39歳)

 「本堂の前にあってお寺で邪魔だなとなったり、檀家さんから批判があったりして、移動しなきゃいけなくなることはないのかとかなり心配していた。」(男性/64歳)

 「地震時の対応はどうなっているのか。」(女性/58歳)

樹木の枯死や自然災害による被害に対して、霊園や寺院がどのように対応するのかを確認しておく必要があります。契約書で「不可抗力時の対応」と「管理責任の範囲」を確認し、永代管理に植え替え費用などが含まれているかをチェックしましょう。

樹木葬の懸念点② 費用:「本当に追加費用なし?」

初期費用は安くても、彫刻料、法要時のお布施、年間管理費などが別途発生する場合もあり、総額が不明瞭という心配の声もあります。

 「本当に管理料などかからないか心配」(女性)

 「将来的に何の費用がかかるのか」(女性/78歳)

 「今後の追加費用について(契約時に)確認した。」(男性/57歳)

 「本当は4人で登録したかったが、経済面の理由で断念した。」(女性)

「永代供養料込み」と言われても、実際には彫刻料、納骨法要料、年間管理費などが別途発生するケースがあります。また、埋葬人数が増えるごとに追加料金が発生する場合も多いため、総額がいくらになるのか、将来的に追加費用が発生する可能性はないか、契約前に細かく確認する必要があります。

樹木葬の懸念点③ 遺骨の扱い:「納骨方法は希望通りか?」

「樹木葬」と言っても、骨壷のままコンクリートの空間に入れるタイプもあり、必ずしもすぐに土に還れるわけではありません。また、納骨への立ち会いや分骨の可否など、遺骨の扱いについて心配する方も多いです。

 「遺骨は直接袋にいれるのか?」(男性/83歳)

 「見学した他のところでは『納骨に立ち会えない』と言われた。」(女性/54歳)

 「父の遺骨も分骨で樹木葬に入れたい(が可能か)。」(女性/64歳)

納骨方法は布袋に入れて直接土に埋める方法、骨壷のまま納める方法、一定期間後に取り出して合祀する方法など施設によって大きく異なります。「土に還る」というイメージと実際の埋葬方法にギャップがないか、納骨への立ち会いの可否、分骨の可否、一定期間後の合祀の有無などはかならず確認しましょう。

樹木葬の懸念点④ 将来の手続き:「最後の納骨後はどうなる?」

複数人で契約する場合、納骨の順番や最後の納骨者が亡くなった後の手続きについて不安を感じる方が多くいます。

 「娘が先にお墓に入ることになったら、誰が私の納骨をしてくれるのだろう。」(女性/61歳)

 「檀家義務はないとのことだが、最後の1人になった後はどうすれば良いのか?」(女性/52歳)

 「生前登録している家族が亡くなった際の手続きについて(確認したい)。」(女性/48歳)

複数人で契約する場合は、想定外の順番で納骨が発生した場合の対応や、最後の納骨者が亡くなった後の連絡先、手続き方法を契約時に明確にしておく必要があります。生前契約の時点で全ての費用を支払っていれば、基本的に追加の手続きは不要ですが、親族や信頼できる第三者に情報を共有しておくことをおすすめします。

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よくある質問

契約の前に、多くの方が質問される内容をQ&A形式でまとめました。

Q. 「追加費用なし」と言われましたが、本当に将来お金はかかりませんか?

A. 基本的にはかかりませんが、「彫刻料」や「納骨手数料」は別枠のケースもあります。

「永代供養料」には、土地の使用料と供養代が含まれていますが、墓誌に名前を刻む彫刻料や、納骨当日の納骨手数料・お布施は別途必要になることもあります。

また、ごく一部ですが年間管理費が必要な樹木葬もあります。「永代供養料込み」という言葉だけで判断せず、契約前に総額の見積もりを出してもらい、将来的にどのような費用が発生する可能性があるのかを明確にしておきましょう。

Q. 「自然に還る」のが魅力で検討していますが、すぐに土に埋めてもらえるのですか?

A. すぐに土に還るタイプと、骨壷のまま埋蔵されるタイプがあります。

「樹木葬だから、すぐに土に還る」とは限りません。樹木葬の埋葬方法は主に以下の3パターンに分かれます。

  1. 直接土に埋める:遺骨を袋などに移し替えて、直接土に埋葬する
  2. 骨壷のまま埋葬:遺骨を一定期間(13年や33年)は骨壷のまま保管し、期間経過後に土に還す
  3. 納骨室で保管:遺骨をコンクリートの納骨空間に入れ、土には触れない

「土に還ると思っていたのに」という後悔を防ぐため、埋葬方法の確認は必須です。見学時に実際の納骨スペースを見せてもらい、どのような形で埋葬されるのかを具体的に確認しましょう。

Q. 最初は個別でも、最終的に合祀されて他の人と混ざるのが嫌です。

A. 「完全個別」のプランがある樹木葬を選びましょう。

多くの樹木葬は「13年後」「33年後」などの期限を過ぎると遺骨を取り出して合祀墓(共同墓)に移されます。合祀とは、複数の方の遺骨を一箇所にまとめて埋葬することで、一度合祀されると個別に取り出すことはできなくなります。費用は割高になりますが、期限を設けず永続的に個別の場所で眠れる「完全個別」のプランも存在します。契約前に「いつまで個別で埋葬されるのか」「その後はどうなるのか」を必ず確認してください。

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賢くお墓を選ぶためのポイント

樹木葬の実態は、「ただ安いから」「自然が好きだから」という単純な理由だけでなく、家族関係の変化や将来への責任感が深く関わっています。

独自調査から見えてきたのは、後継者の有無に関わらず、「次の世代に負担をかけたくない」という共通の価値観でした。そして、アクセスのよさ、明るい雰囲気、合祀の有無といった具体的な条件が、最終的な決断を左右しています。

樹木葬を選ぶ際には、季節を変えて何回か訪問する、雨天時の様子を確認する、実際の利用者の声を聞くなどして、慌てて契約しないようにすることが理想です。

樹木葬は、一度契約して埋葬してしまうと、やり直しが難しいケースがあります。だからこそ、後悔しないためには、ネットの情報だけで決めず、必ず現地を見学し、分からないことは住職や管理者の方に話を聞いてみましょう。

最後に、後悔しない樹木葬選びのためのチェックリストをまとめていますので、ぜひご活用ください。

【樹木葬選び チェックリスト】

アクセス: 自分が高齢になっても、また車なしでも行ける場所ですか?

合祀の条件: 「最初から合祀」か「一定期間後に合祀」か「ずっと個別」かを確認しましたか?

総額費用: 永代供養料だけでなく、彫刻料、納骨手数料、年間管理費の有無を確認しましたか?

実際の景観: 写真だけでなく、現地で「日当たり」や「手入れの状況(雑草など)」を確認しましたか?

埋葬方法: 「土に還る」埋葬か、「骨壷」での埋葬か、希望と合致していますか?

親族の合意: 後継者や親族に相談し、お墓の形式について理解を得ていますか?

管理体制: 樹木の枯死や災害時の対応、将来的な施設の維持について確認しましたか?

納骨の方法: 立ち会いの可否、納骨の手順について確認しましたか?

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この記事の監修者

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小原 崇裕

2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。