納骨堂の費用と5つの種類を徹底比較!知らないと損する「年間管理費」と新しい供養の選択肢

お墓のあり方が多様化する現代、特に都心部では、天候を気にせずお参りできる屋内型の納骨堂が注目されています。しかし、「種類が多くて違いが分からない」「費用は一体いくらかかるの?」といった疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
この記事では、さまざまな種類の納骨堂についてわかりやすく解説します。さらに、多くの方が見落としがちな「年間管理費」という費用問題と、その解決策となる新しい供養のかたちまで、後悔しないお墓選びのために知っておくべきお役立ち情報をお伝えします。
今、なぜ自動搬送式納骨堂が注目されているのか?

数ある納骨堂の中でも、近年特に人気を集めているのが自動搬送式の納骨堂です。まずは、その人気の理由と、契約前に知っておくべき注意点について解説します。
自動搬送式納骨堂とは?ICカード1枚で参拝できる最新式の納骨堂も
自動搬送式納骨堂は、最新のシステムを導入した屋内施設です。参拝者がタッチパネルやICカードで受付を済ませると、バックヤードに保管されている遺骨(骨壺)が参拝ブースまで自動的に運ばれてくる仕組みになっています。
従来のお墓のイメージとは異なり、まるでホテルのロビーのような洗練された空間を持つ施設が多いのが特徴です。
納骨堂の人気の理由(メリット)
自動搬送式納骨堂が多くの人に選ばれる理由は、主に以下の3つのメリットが挙げられます。
アクセスのよさ: 主要な駅の近くなど、交通の便がよい都心部に建てられる傾向が強く、誰でも気軽に立ち寄りやすい立地にあることが多いです。
天候に左右されない快適な参拝空間: 屋内施設のため、夏の暑い日や雨の日でも天候を気にすることなく、お参りすることができます。空調が完備され、掃除も行き届いていることが多く、常に清潔な環境が保たれています。
管理の手間がかからない: 従来のお墓のように、草むしりや墓石の掃除といった手間は不要です。施設側が清掃や管理をおこなうため、少ない労力でお参りすることができます。
知っておくべきデメリット:費用の高さと屋内ならではの注意点

屋内施設である納骨堂にはメリットがある一方で、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。
費用の高さ
最新の設備とよい立地の納骨堂は、ほかの種類の供養方法と比較しても費用が高くなる傾向があります。
高くなる理由として、従来のお墓ではなく建物として建設するコストがかかることや、自動搬送システムなどの最新設備の導入・維持にかかるコストが継続的に発生することが挙げられます。
機械の故障リスクと建物の老朽化
特に機械式の納骨堂の場合、故障やメンテナンスによる利用制限のリスクが考えられます。
また、建物自体もいずれは老朽化するため、長期的な修繕計画がどうなっているか事前に確認が必要です。
お参りの作法と雰囲気
施設によっては、お線香の使用を禁止していたり、参拝時間に制限が設けられていたりする場合があります。
また、従来のお墓参りのイメージとは異なる場合があるため、故人が安らげる雰囲気か、ご自身の供養のイメージと合っているか、事前に見学して確認しておくとよいでしょう。
運営団体の倒産問題
納骨堂は永続的な利用が前提ですが、運営団体が倒産するリスクもゼロではありません。万が一倒産した場合、遺骨が行方不明になってしまうという可能性があります。
納骨堂の運営団体が倒産した事例:https://www.tokyo-np.co.jp/article/210756
契約前には、運営団体が信頼できる団体か、経営状況は安定しているかなども確認しておくとより安心です。
↓さまざまなリスクを知って不安に感じた方は、まず専門家に相談してみましょう。↓
納骨堂の代表的な5つの種類の費用相場を比較

納骨堂には、自動搬送式以外にもさまざまな種類があります。ここでは代表的な5つの種類の特徴と費用相場をご紹介します。ご自身の希望や予算に合うのはどのタイプか、比較検討してみてください。
リスク①:機械の故障・停電・災害時に「お参りできない」
種類 | 費用相場 | 特徴 | こんな方におすすめ |
① 自動搬送式 | 50万円~150万円 | ICカードで受付すると遺骨が運ばれてくる最新式。好立地で施設が綺麗。 | 利便性を最優先したい、天候を気にせず快適にお参りしたい方。 |
② ロッカー式 | 20万円~80万円 | コインロッカーのように区画が並ぶシンプルな形式。費用を抑えられる。 | とにかく費用を安く抑えたい、シンプルな供養を望む方。 |
③ 仏壇式 | 30万円~150万円 | 上段が仏壇、下段に遺骨を納める形式。自宅に仏壇がない家庭にも。 | 仏壇のように位牌や写真を飾り、手を合わせるスペースが欲しい方。 |
④ 位牌式 | 20万円~50万円 | 祭壇に位牌を並べて安置し、遺骨は別の場所(収蔵庫など)で保管する。 | 費用を抑えつつ、故人の位牌に対して手を合わせる場が欲しい方。 |
⑤ 墓石式 | 100万円~ | 屋内に一般的なお墓と同じように墓石を建てる形式。天候に左右されない。 | 費用はかかっても、伝統的なお墓のかたちにこだわりたい方。 |
※費用相場は立地や収蔵人数、施設のグレードによって大きく変動します。
納骨堂の費用は購入費だけじゃない!「年間管理費」という落とし穴

納骨堂を選ぶ際、初期費用に目が行きがちですが、実は見落としてはいけないのが「年間管理費」です。この継続的なコストが、将来的に大きな負担となる可能性があります。
費用の内訳:「永代使用料」と見落としがちな「年間管理費」
納骨堂の費用は、主に以下の2つで構成されています。
永代使用料(または永代供養料): 納骨堂の区画を永代にわたって使用する権利のための費用。契約時に一括で支払うのが一般的です。
年間管理費: 共用部分の清掃や光熱費、施設の維持管理のために毎年支払う費用。
年間管理費の相場と将来の総額シミュレーション
年間管理費の相場は、年間1~2万円程度です。一見すると少額に感じますが、長期間にわたって支払い続けると、その総額は決して無視できません。
【シミュレーション例】
年間管理費1万円 × 30年間 = 総額30万円
年間管理費2万円 × 30年間 = 総額60万円
年間管理費1万円 × 50年間 = 総額50万円
年間管理費2万円 × 50年間 = 総額100万円
この費用は、ご自身が亡くなった後も、契約が続く限り誰かが支払い続ける必要があります。
もし管理費が払えなくなったらどうなる?合祀のリスク
年間管理費の支払いが滞ってしまうと、深刻な問題が発生します。契約の条件によっては、数年間の滞納が続くと、最終的には大切な故人の遺骨が取り出され、他の多くの遺骨と一緒に合祀墓へ移されてしまうことがあります。
「個別に丁寧にお祀りしたい」という想いで納骨堂を選んだにもかかわらず、遺骨が他の方々と混ざり合ってしまうリスクがあることには注意が必要です。
↓合祀とは?くわしく知りたい方はこちら↓
新しい選択肢:将来の費用負担をなくす「永代供養墓」とは

「年間管理費」という将来の負担を解決する選択肢として、今注目されているのが「永代供養墓」です。
多くの人が混同する「納骨堂」と「永代供養」の違い
この2つの言葉はよく混同されがちですが、意味は全く異なります。
納骨堂: 遺骨を収蔵するための「建物の種類」
永代供養: 家族に代わって霊園や寺院が遺骨を永代にわたり管理・供養してくれる「供養の仕組み(サービス)」
つまり、「永代供養つきの納骨堂」もあれば、「永代供養つきの樹木葬」もある、という関係性です。
年間管理費が不要なケースが多い永代供養墓
永代供養墓の大きなメリットは、契約時に一括で費用を支払えば、その後の年間管理費が一切かからないケースが多いことです。これにより、将来の費用負担の心配がなくなり、お子さんやお孫さんに迷惑をかけることもありません。
ただし、永代供養付きの施設でも、一定期間は個別に安置されるプランの場合、その期間中は年間管理費が必要になることもあるため、契約内容の確認は必須です。
↓永代供養墓について、よりくわしく知りたい方はこちら↓
代表的な永代供養墓の種類
永代供養墓には大きく分けて6つの種類があります。
合祀・合葬墓(石材型):5~30万

合祀・合葬墓は石材型の永代供養墓のなかの一種で、共有スペースにほかの方の遺骨と一緒に埋葬されるお墓です。ほかの方と一緒に埋葬されることで、スペースが少なくてすむため、費用相場は最も安く5~30万円です。
費用を大幅に抑えられることが最大のメリットですが、合祀については慎重に検討するとよいでしょう。ほかの方の遺骨と一緒に埋葬されることや、お参りにきた際に手をあわせる場所がないことに抵抗がある方も少なくありません。
集合墓(石材型):20~50万

集合墓は石材型の永代供養墓のなかで、埋葬方法が集合安置のお墓です。合祀・合葬墓と同様に共有スペースにほかの方と一緒に埋葬されますが、骨壷のまま安置するため、モニュメントや像は合祀・合葬墓よりも比較的大きくなります。費用相場は合祀・合葬墓よりは上がり、20~50万円ほどです。
骨壷のまま安置されるものの、ほかの方と共同スペースに埋葬されることや、手をあわせる場所がないことに抵抗がある方も少なくありません。合祀・合葬墓と同様に家族や親族と慎重に相談するとよいでしょう。
個別安置墓(石材型):50~120万

個別安置墓は石材型の永代供養墓で、個人や家族で個別に眠ることができます。マンションのような個別のスペースがあるため費用相場は50~120万円です。
屋外にあり、石でできている点や、完全個室に家族だけで眠れる点など、ほかの永代供養墓にはない今までのお墓のよい特徴が保たれていることが大きなメリットです。個別安置が可能ですが、永代供養墓であるため、年間管理費などの維持費もかからず、永代にわたってお寺や霊園に管理してもらえる点も安心です。
樹木葬

墓石の代わりに樹木を用いたり、埋葬場所が草花に囲まれているような永代供養墓です。自然志向な点や永代供養であることから、近年注目を集めています。埋葬人数や埋葬方法によっても変わりますが費用相場は5~100万円です。
昔ながらの石でできたお墓に対して緑に囲まれた明るい雰囲気を持っており、自然に包まれ、最後は自然に還りたい方に選ばれています。先ほど解説した、合祀・合葬、集合安置、個別安置と、それぞれ埋葬方法はお墓や各墓地によっても違うため、その点も踏まえてよく検討するとよいでしょう。
永代供養付き一般墓(個人墓型):100~150万

昔ながらの一般墓と全く同じもので永代供養がついているお墓もあります。大きな墓石を用い、形状は一般墓と変わらないため、費用相場は永代供養墓のなかで最も高く100~150万円です。
13年、33年など一定期間を過ぎると合祀になる場合がほとんどで、合祀されるまでの期間は年間管理費がかかるところもありますので注意しましょう。
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まとめ あなたにとって最適な供養のかたちを見つけるために

この記事では、納骨堂の種類と費用、そして見落としがちな年間管理費の問題について解説しました。
納骨堂は非常に便利で快適ですが、継続的な「年間管理費」がかかるという事実を理解しておく必要があります。
もし将来の費用負担をなくしたい、子どもに迷惑をかけたくないという気持ちが強いなら、「年間管理費」のかからない樹木葬などの永代供養墓も有力な選択肢となります。
最終的には、費用、アクセスのよさ、お参りのしやすさ、供養の考え方など、ご自身の価値観やライフスタイルに最も合うのはどれか、多くの選択肢からじっくり比較検討することが後悔しないための鍵となります。
まずは気になる納骨堂や霊園の資料をいくつか取り寄せて、具体的な費用やサービス内容を比較することから始めてみませんか。
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この記事の監修者

小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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