浄土真宗の「永代経」とは? 間違いやすい永代供養との違いをわかりやすく解説

「永代経」は、浄土真宗のお寺で行われる法要のひとつです。
親族に代わってお寺・霊園が先祖の遺骨を供養する「永代供養」と混同されがちですが、実はその目的や意味は少し違います。
この記事では、永代経の基本的な考え方や、よく似た言葉である「永代供養」との違いについて、わかりやすくご紹介します。初めての方でも安心して読めるよう、申し込み方法やよくある疑問にも丁寧にお答えします。
浄土真宗で永代供養のお墓を探している方はこちら
永代経は浄土真宗の法要の一つ

永代経(えいたいきょう)とは、お寺がこれから先もずっと続き、人々が仏さまの教えを聞ける場所を守り続けるために行われる法要(仏教の行事)のことです。
この法要では、仏教の教えを伝えるお寺を支えるために「浄財(じょうざい)」と呼ばれるお布施が寄せられます。その思いをもとに、今だけでなく未来の世代にまで経典をお勤めし、仏教を絶やさないことを願います。
仏教の宗派によって、呼び方や意味合いが少しずつ異なりますが、浄土真宗では特に「聞法(もんぽう…仏さまの教えを聴く)」の場所、つまりお寺を守り続けることが大きな目的です。
そのため、永代経は「先祖の供養」ではなく、「これからも仏法に出会える縁をつなげていくための行事」、言い換えれば「お寺を未来へバトンタッチするための法要」となります。
浄土真宗における永代経の意味

浄土真宗において「永代供養」という考え方は存在しません。
浄土真宗の教えでは、阿弥陀仏を頼ることで人は亡くなるとすぐに極楽浄土に往生し成仏するとされています。
一方、他の仏教宗派では、故人が成仏できるように読経やお墓参りなどの「善」をなす「供養」がおこなわれます。永代供養もその名の通り供養がおこなわれますが、浄土真宗では先に述べた通り供養を行わずとも成仏できるため供養をおこなう必要がありません。これが浄土真宗では永代供養ができないといわれる理由です。
浄土真宗と永代供養について、詳しくはこちらをご覧ください。
永代経と永代供養の違い

「永代供養」と「永代経」は混同されがちですが、目的も手続き先も異なります。以下の表で違いを整理してみましょう。
永代経 | 永代供養 | |
主対象 | お寺・法灯の相続 | お墓・納骨後の管理・供養 |
目的 | 法要の相続、お寺の維持 | 墓地管理・法要(読経)等の継続 |
手続き先 | 寺院 | 霊園・寺院・納骨堂など |
タイミング | 寺の年中行事・命日月など | 回忌法要など |
費用 | 永代経懇志(お布施) | 契約料・使用料・管理費等(形態により変動) |
併用されるケースもあり、例えば「お墓は永代供養」「寺では永代経」というように、それぞれの目的に応じて選ばれています。
永代経と永代供養のよくある誤解

誤解その1「永代経=先祖のための功徳付与」
浄土真宗では、「良い行いのごほうび(功徳)」は、自分で積み重ねるものではなく、阿弥陀さまが私たちに与えてくださるものと考えます。
そのため、永代経は「亡くなった方のために何かをする」というよりも、仏教の教えを聞き続ける場(お寺)を守るための気持ち(志)を表す法要です。
誤解その2「永代供養と同じ?」
目的も手続き先も異なります。上記の比較表を参照してください。
誤解その3「戒名が必要?」
浄土真宗では「戒名」ではなく「法名」を用います。法名の扱いは寺院に確認しましょう。
誤解その4「一度申し込めば何もしなくてよい」
法要の案内や参拝の機会を大切にし、継続的なご縁を持つことが望まれます。
浄土真宗で永代供養墓を探すには

永代経の意義を理解し、大切にしたい方にとって、故人が眠るお墓の選び方も重要です。全国永代供養墓・樹木葬グループでは以下のお墓をご紹介できます。
浄土真宗で永代供養墓を提供している霊園を探す
永代供養墓で浄土真宗のお寺をご希望される方には、山形県山形市にある「山形浄園」があります。
こちらは、浄土真宗本願寺派のお寺である明善寺が管理しています。宗派の伝統を大切にしながら、安心してお墓を任せられる環境が整っています。浄土真宗の信仰を大切にされる方にとって、心穏やかに故人をしのべる場所です。
宗派を問わず見学・相談を受付している霊園を探す
「近くに浄土真宗の霊園がない…」そんな方もご安心ください。
全国永代供養墓・樹木葬グループでは、宗旨宗派を問わずどなたでも利用できる永代供養墓「燈(あかり)」「永遠(とわ)なる緑」をご用意しています。全国の加盟寺院で見学やご相談を随時受け付けており、故人への想いを大切にした供養が可能です。柔軟で開かれた供養のかたちをお探しの方にぴったりの選択肢です。
↓浄土真宗の方も利用できる宗旨・宗派不問の永代供養墓・樹木葬はこちら↓
永代経の申し込み方法

永代経を申し込みたい方は、ご縁のある寺院や地域の寺院へ、以下の項目について相談してみましょう。
- 法要日程(年中行事の中か個別か)
- 記名(帳面や過去帳への記載方法)
- 志(お布施)の包み方・名義
- 当日の流れ・持ち物(塔婆は浄土真宗では通常用いません)
お寺へのマナーとして、金額の「相場」表現は避け、「志(こころざし)」として相談するのが基本です。封筒の表書き例や郵送時の配慮も寺院に確認しましょう。
よくある質問(FAQ)

Q. 永代経はいつ営まれますか?
春秋のお彼岸やお盆など、寺院の年中行事に合わせて営まれることが多いです。
Q. 浄土真宗で塔婆や戒名は必要ですか?
塔婆は用いません。戒名ではなく「法名」を使用します。
Q. 永代経と永代供養はどちらを選ぶべき?併用できますか?
目的に応じて併用可能です。寺院と霊園それぞれに相談しましょう。
Q. 志(お布施)の包み方・表書きは?郵送でもよい?
「永代経懇志(こんし)」などと表書きし、寺院の指示に従って郵送も可能です。
Q. 寺とのご縁がなくても申し込めますか?
多くの寺院が相談を受け付けています。まずは問い合わせてみましょう。
まとめ

「永代経」は、浄土真宗における大切な法要であり、単なる供養ではなく、仏法に触れ続ける場を護る志です。「永代供養」との違いを理解し、ご自身やご家族の信仰に沿った選択をすることが大切です。
永代供養墓の検討とあわせて、寺院への相談を通じて、より深いご縁を築いてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者

小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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