真言宗の永代供養の費用一覧|墓じまいから永代供養墓にするまでの費用と流れを詳しく解説
「真言宗の永代供養はどうやるの?」
「費用がいくらかかるか見当がつかない……」
永代供養にしたくても墓じまいの流れや費用相場がわからず、なかなか行動に移せないという方も多いかもしれません。
この記事では、真言宗の永代供養について、かかる諸費用や永代供養墓別の費用相場、行政手続きや菩提寺への相談方法のほか、メリット・デメリットに注意点をまとめました。
かかる費用を知ることで、永代供養や墓じまいへの疑問や不安を解消し、スムーズな永代供養を実現できます。
真言宗の永代供養とは
永代供養は宗派を問わず行える供養方法です。
永代供養とは、霊園や寺院が家族にかわって故人を永代にわたり供養管理をする新しいお墓のかたちです。
真言宗と他宗とで永代供養方法に変わりがないため、この記事でご紹介する情報は真言宗の方はもちろんすべての宗派の方に参考にしていただけます。
真言宗の永代供養にかかる費用相場
近年注目が高まっている永代供養ですが、永代供養にかかる費用相場は実際どのくらいになるのでしょうか。
希望する供養の内容や、墓じまいの有無などにより総額は異なりますが、宗派によって費用の相場に違いはありません。
ここから、永代供養墓別の費用相場と墓じまいから永代供養までにかかる諸費用について詳しく紹介していきます。
真言宗と他宗とで永代供養方法に変わりがないため、この記事でご紹介する情報は真言宗の方はもちろんすべての宗派の方に参考にしていただけます。
真言宗の永代供養墓|6つの種類の費用相場
永代供養墓の相場費用は、お墓の種類により5万円〜150万と価格に幅があります。
費用の違いはどこにあるのでしょうか。
それぞれの永代供養墓の特徴と費用、注意点、メリット・デメリットをみていきましょう。
合祀・合葬墓(石材型):5〜30万
合祀・合葬墓とは、骨壷から遺骨を取り出し、他の方々と同じスペースに埋葬するお墓をいい、費用相場は5~30万円です。
個別の区画を必要とせず墓標も共有であるため、費用は抑えられますが、他の方とお骨が一緒になることに抵抗を持つ方も少なくありません。
他の方々と遺骨が混ざってしまうため、埋葬後は遺骨を取り出せないことが最大の注意点です。
そのため、永代供養墓の中でも合祀・合葬墓への埋葬には慎重な検討が必要です。
集合墓(石材型):20〜50万
集合墓は骨壷のまま共有スペースに埋葬するお墓をいい、費用相場は20~50万円です。
骨壷から遺骨を取り出すことなく安置できるため、合祀・合葬墓と比べて費用は上がります。
骨壷のまま埋葬できることがメリットですが、個別の墓標はなく共有のモニュメントなどにお参りすることから、手をあわす対象がわかりづらいという声もあります。
また、一般的には33回忌をむかえたあとは合祀になることが多いため、契約内容をよく確認する必要があります。
予算と希望が集合墓の特徴に見合っているか、慎重に検討していきましょう。
個別安置墓(石材型):50〜120万
個別安置墓は完全に仕切られた個室の中に埋葬されるお墓をいい、費用相場は50〜120万円とやや幅があります。
個別スペースが確保され、個人もしくは家族などの複数人でも埋葬できるため、個別安置墓は永代供養墓のなかでも人気の高いお墓です。
個室のため安心感がありますが、埋葬する人数により費用が上がるケースが多いため、埋葬する人数を確認し予算に見合うか見極めるようにしましょう。
個別安置期間が終わると合祀になるケースがほとんどのため、合祀に抵抗がある方は合祀されない個別安置墓をおすすめします
樹木葬:5〜100万
樹木葬は樹木や草花に囲まれた自然志向のお墓をさし、費用相場は5〜100万円と埋葬方法により幅があります。
埋葬方法は合祀・合葬型、集合埋葬型、個別埋葬型などさまざまあり、それにより費用に差があります。
また個別の墓標の有無など選択肢が多くあるのも樹木葬の特徴です。
大地に還り緑のなかで眠るというスタイルが支持され、近年大きな注目が集まっている樹木葬は、希望する埋葬方法が予算内であるかどうかをしっかり確認して、検討していくとよいでしょう。
納骨堂:20〜150万
納骨堂は専用スペースに納骨できる屋内型のお墓をいい、費用相場は20~150万円です。
納骨堂は、機械式、ロッカー式、仏壇式などのお墓の形の違いと、納骨人数により価格に幅があります。
また、永代供養墓は年間の管理維持費が発生しないことがほとんどですが、屋内施設である納骨堂は、光熱費や機械点検費用などの管理費が別途かかることがあります。
初期費用のなかに年間管理料が含まれるかどうか、事前の確認をしっかり行いましょう。
永代供養付き一般墓(個人墓):100~150万円
永代供養付き一般墓は、従来の一般墓に永代供養がついているものや、一般墓よりは小さめの個別の墓石がある石材型のお墓をいい、費用相場は100~150万円です。
昔ながらのお墓であるためお参りもしやすいですが、個別の区画や墓石を必要とするため、永代供養のなかでは最も予算が高いお墓といえるでしょう。
また、一般的なお墓と同様に年間管理費がかかることが多いです。
選ぶ区画や墓石の大きさによっては相場以上の予算となるため、決定には慎重な検討が必要です。
真言宗の墓じまいから永代供養にかかる諸費用と内訳
これまでのお墓を墓じまいして永代供養にする場合、どのような諸費用がかかるのでしょうか?
墓じまいから永代供養にするまでの諸費用は、どの宗派も同様です。
20〜70万とされる諸費用の相場と内訳を詳しくご紹介します。
墓石撤去費用
墓石解体撤去費用の相場は、1平方メートルあたり10~15万円です。
墓石の大きさやお墓の立地などにより異なるため、詳しくは撤去業者からの見積もりで内容を確認しましょう。
行政手続き費用
行政手続きにかかる費用は0~1,500円ほどです。
墓じまいするお墓がある自治体や霊園や寺院、永代供養先などでそれぞれ入手するものですが、費用は発行元により異なります。
行政手続きには、以下の3つの書類が必要です。
・改葬許可証 0~1,000円
墓じまいするお墓がある自治体に改葬許可申請書を提出して入手します。
・埋蔵証明書 0~1,500円
墓じまいするお墓の管理元から発行してもらいます。
・受入証明書 0~1,500円
お骨の移転先である永代供養先から発行してもらいます。
寺院へのお布施
寺院(僧侶)へのお布施は、開眼供養・閉眼供養ともにそれぞれ3~5万円が相場です。
お布施は感謝の気持ちで包むものであるため、もちろんこれ以上の額でも問題はありません。
墓じまいにともないこれまでお世話になった寺院を離檀する場合、一般的な離檀料は5~20万円とされていますが、離檀料をなしとする寺院もあるため費用相場は寺院により異なります。
真言宗の墓じまい〜永代供養まで費用と流れ
墓じまいを行い永代供養にするまで、どのような流れで進んでいくのでしょうか。
この章では、永代供養にするまで、どの場面でどのような費用が発生するかをあわせて流れをみていきましょう。
永代供養先を探す
はじめに、永代供養先を探しましょう。
ご先祖に今後どのような供養を望むか、予算、立地など、希望を整理して、永代供養墓それぞれの特徴を理解し、希望にあった永代供養先を絞っていくとよいでしょう。
費用に対し希望が見合うかどうか、資料等で見るだけではなく、実際現地に足を運んでみることも大切です。
【永代供養墓別費用相場】
合祀・合葬墓(石材型) | 5~30万 |
合祀・合葬墓(石材型) | 20~50万 |
個別安置墓(石材型) | 50~120万 |
樹木葬 | 5~100万 |
納骨堂 | 20~150万 |
永代供養付き一般墓(個人墓) | 100〜150万 |
現在のお墓の管理者へ相談する
永代供養先が決まったら、現在のお墓がある寺院や霊園に墓じまいの相談をしましょう。
檀家であった場合、一方的な事後報告で墓じまいを伝えた場合、トラブルになる可能性もあり一般的な相場である離檀料では離檀とならないケースもあります。
先祖代々のお墓の管理が難しくなったことに理解をしてもらい、気持ちよく墓じまいできるようまず相談という形で話をすることをおすすめします。
【離檀料費用相場】5~20万円
墓石の撤去処分業者を選定する
墓じまいの了承を得たら、墓じまい後のお墓の墓石撤去処分業者を決定します。
寺院や霊園で提携している業者がいる場合もありますが、いない場合は自身での手配が必要です。
2、3社の業者に相見積もりを取り、内容を比較して検討するのがおすすめです。
【墓石の解体撤去費用相場】1平方メートルあたり10~15万円
行政手続き準備
次に改葬のための行政手続き書類を揃えます。
まず、現在のお墓がある場所の自治体で「改葬許可申請書」を入手します。
それに現在のお墓の管理者から発行される「埋蔵証明書」と永代供養先発行の「受入証明書」を添えて「改葬許可証」を自治体から発行してもらいます。
【必要書類にかかる費用相場】
改葬許可書 | 0~300円 |
受入証明証 | 基本0円 |
埋蔵証明書 | 基本0円 |
閉眼供養を行う
遺骨を取り出す際は、一般的に閉眼供養を行います。
閉眼供養は魂抜きともいい、墓前で僧侶が読経を行いお墓からご先祖様の魂を抜いて更地に戻す儀礼です。
閉眼供養ののち、墓石の撤去作業を行います。
【閉眼供養の費用相場】3~5万円
永代供養先へ納骨する
取り出した遺骨を永代供養先へ納骨します。
永代供養先で開眼供養を行う場合も、閉眼供養同様にお布施をお包みしましょう。
【開眼供養の費用相場】3~5万円
真言宗の永代供養と墓じまいにかかる費用の4つの注意点
なかなか機会がない墓じまいですが、流れと費用面での注意点に気をつければさほど難しいことではありません。
この章では永代供養と墓じまいにかかる費用について、4つの注意点をご紹介します。
スムーズな墓じまいと永代供養への改葬にぜひお役立てください。
1.永代供養の費用負担を話し合っておく
親族間で墓じまいについて話し合う際に、かかる費用の負担割合も話し合っておきましょう。
墓じまいが進みだしてからの話し合いでは、費用分担がうまくいかないケースもあります。
かかる費用を明らかにして、費用負担にくわえて作業分担なども話し合っておけばあとあとのトラブルを避けられます。
2.今あるお墓の寺院へはまず相談をする
檀家をやめて墓じまいを行う場合、先祖代々お世話になった菩提寺を離檀することになります。
ここで大切なのは、報告ではなく相談として寺院へ話をするよう気をつけることです。
墓じまいを決定事項として一方的に報告して話がこじれてしまったなどというケースもあります。
継承者の不在や家族の高齢化など、先祖代々のお墓を維持管理できなくなった理由をお伝えし、寺院側の理解と了承を得ることが大切です。
これまでお世話になった感謝と誠意をもち、まず相談から話をはじめましょう。
3.墓石解体撤去業者には相見積もりをとる
墓じまいを行う墓石撤去処分業者を選ぶ際は、複数の会社に見積もりを依頼する相見積もりがおすすめです。
墓石撤去の費用は、1社のみの見積もりではそれが適正価格なのか、判断がつきにくいのが現状です。
一般的な費用相場はありますが、お墓がある地域や墓石の大きさと区画の広さ、お墓の立地によっても費用は異なります。
2、3社の見積もり内容を比較し、不明点は質問し解消した上で信頼できる業者を決定するとよいでしょう。
4. 価格だけで永代供養先を選ばない
最後の注意点は、価格だけで永代供養先を選ばない、ということです。
ひとことで永代供養といっても、供養の内容や埋葬方法も異なるため、契約内容をしっかりと検討する必要があります。
安さを求めて合祀・合葬型や個別安置期間が短い永代供養墓を選んでしまい、取り返しがつかず後悔したという声も少なくありません。
合祀されない永代供養墓を希望される場合は、少々高額となっても合祀されない永代供養墓の選択も視野に入れましょう。
客観的な意見を取り入れることもおすすめです。
永代供養についてお迷いや不明点があれば、専門知識を持つアドバイザーへの相談もおすすめです。
真言宗総本山高野山の永代供養にかかる費用
最後に、真言宗の聖地・高野山に永代供養した場合の費用をご紹介します。
開祖・空海が開いた真言宗総本山は、高野山全域が境内地であり、総本山は金剛峯寺、山内には100を超える寺院があります。
総本山・金剛峯寺では永代供養を受け付けていませんが、高野山内で永代供養を行っている寺院や霊園に埋葬することができます。
その場合、分骨が5万円〜、石碑建立が400万円ほどと費用には大きな幅があるため、それぞれの永代供養先をよく調べ、検討するとよいでしょう。
まとめ
この記事では、真言宗の墓じまいから永代供養墓への改葬までにかかる費用と流れを、詳しくご紹介しました。
どの宗派でも費用相場と流れは変わらないため、真言宗以外の宗派の方も参考にしていただけます。
墓じまいの諸費用に20~70万円、永代供養墓は5~150万円が費用相場となりますが、費用面以外にも、永代供養墓それぞれの種類やメリット・デメリットを知ることが重要です。
後悔のない墓じまいのために、お困りの場合はまず専門家への相談もおすすめです。
全国永代供養墓・樹木葬グループでは、全国の寺院・霊園での合祀にならない永代供養をご紹介しています。
永代供養にかかる費用を抑えたい、地方での永代供養を検討したいなど、永代供養に関する問合せを受け付けています。
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この記事の監修者
小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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