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墓じまいの当日の流れと準備の手順|閉眼供養のお布施や服装のマナー

墓じまいの当日の流れはどのような順序でおこなわれるのか、墓じまいの際におこなう閉眼供養について詳しく知りたい方のため、分かりやすく解説します。

墓じまいでは、当日の流れに一定の決まりごとがあり、法要の開始時刻よりも早めにお墓へ到着しておくことが必要です。

事前に準備するべきことや、墓じまいで必要なお布施の金額のほか、墓じまいの当日の流れでよくある質問までまとめてご紹介しますので、どうぞご覧になり、参考になさってください。

墓じまいの当日の流れ

墓じまいの当日の流れについて、順序を解説します。墓じまいでは基本的に7つの事項をおこないますが、失敗を防ぐためには事前に当日の流れを把握しておくと安心です。

①お墓の掃除

お墓へ到着したら、閉眼供養(墓じまいの際におこなう法要)が始まる前にあらかじめお墓の掃除をおこないます。お墓の周辺は、草むしりやゴミ拾いもおこなって、できるだけきれいに掃除しましょう。

墓石は石塔の上部に水をかけながら、上から下へ雑巾や柔らかいスポンジで汚れを洗い流し、水鉢や花立、気になる彫刻部分などの汚れを落とします。

②僧侶への挨拶とお布施の支払い

僧侶の準備が整ったら、「本日は宜しくお願い申し上げます」と簡単な挨拶をして、袱紗(ふくさ)に包んだお布施を取り出し、袱紗の上にお布施を乗せて差し出します。

ただし、僧侶が忙しい様子の場合などは、閉眼供養が終わった後でも構いませんので、状況によって判断してください。

③供物や仏花のお供え

閉眼供養をおこなうときは、水桶から柄杓で水鉢に水を注ぎ、水を入れた花立てに持参した仏花を挿して、供物をお供えします。

墓じまいの当日に遺骨の取り出しや墓石の解体撤去工事を着手する際は、石材店がサポートしてくれるケースも多いため、事前に必要品などを相談しておくとよいでしょう。

④読経による閉眼供養

墓じまいへ立ち会う親族がそろったら、僧侶の読経による閉眼供養をおこない、納骨されている故人と関係性が近い方から順番にお線香をあげて合掌します。

供養が終わったら、供物やゴミは必ず持ち帰るようにしてください。

⑤会食

墓じまいでは、法事として家族・親族や僧侶との食事の席を用意するご家庭もいらっしゃるため、もし必要な場合は、あらかじめ場所と食事の予約をしておきましょう。

⑥遺骨の取り出しと新たな供養先への引き渡し

墓石はとても重たく、お墓によっては地中深くに納骨されているケースもあるため、遺骨を取り出す際は、必ず石材店へ依頼をして骨壷を取り出してもらってください。

取り出した遺骨は、新たな供養先となる改葬先の指示に従って、持ち込みや郵送による送骨で引き渡します。

⑦墓じまいによる墓石の解体撤去工事

お墓は閉眼供養と遺骨を取り出しが完了したら、早ければ当日のうちに墓石の解体撤去工事をおこない、墓地の返還手続きをすることが可能です。

工事への立ち会いは必要ありませんが、きちんと現状復帰をしてもらえたかを確認するため、石材店へは工事前後の写真撮影を依頼しておくとよいでしょう。

墓じまいには閉眼供養が必要

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墓じまいでは、閉眼供養をおこなう必要があるため、その理由について詳しく解説します。

墓じまいの閉眼供養とは?

閉眼供養とは、お墓に宿った魂を抜くための儀式のことをいい、墓前で30分程度の時間をかけて読経をともなう供養をおこないます。

お墓は墓石を建立したとき、開眼供養によって祖先や故人の魂が宿るようにしてあるため、墓じまいではその反対に、魂を抜くことが必要です。

閉眼供養の4つのメリット

閉眼供養には、次のような4つのメリットがあります。

墓じまいの工事が確実にできる

閉眼供養はお墓から魂を抜くために不可欠な儀式のため、閉眼供養をすることで石材店は墓じまいの工事を確実に着工できるようになります。

所有者が閉眼供養を不要とみなしても、魂が宿ったお墓を壊すことは罰当たりとみなされ、石材店に工事を断られるケースがあるため気をつけましょう。

ご先祖様へ敬意を払い親戚トラブルを回避できる

先祖代々にわたって受け継がれてきたお墓ほど関係のある親族は多くなり、ご先祖様への想いやお墓への価値観は人それぞれ異なるため、閉眼供養は大切な供養といえます。

なお、お墓の祭祀承継者は相続財産とは異なり、習慣や遺言によって決定することが民法で定められているため、故人の死をきっかけに墓じまいを検討する際はご注意ください。

霊園や寺院との円滑な連携

閉眼供養をすることによって、墓じまいをする霊園や墓地、寺院とスムーズに連携を取りやすくなります。

墓じまいにあたって、必要な手続きの依頼や、不明点の質問などもしやすくなるでしょう。

心を落ち着かせて安心できる

お墓に眠るご先祖様や故人をはじめ、ずっとお墓を守ってきた人たちの心情を考えると、墓じまいにあたっては、後ろめたさややましさを感じる方も多いでしょう。

閉眼供養をおこない適切な墓じまいをすることで安心できるはずです。

墓じまい自体は、無縁仏とならないよう、今後も違う形で供養を続けるために、ご先祖様や故人のことを想っておこなわれる大切なことです。ご先祖様や故人を偲び、気持ちよく進められるとよいでしょう。

墓じまい当日に納める閉眼供養のお布施

墓じまい当日に納める閉眼供養のお布施は、次のような内訳と金額となっています。

内訳金額
閉眼供養3~5万円
御車代5千~1万円
御膳料5千~1万円(食事をしない場合)
離檀料5~20万円(檀家の場合)

閉眼供養と離檀料は、「御布施」の表書きでお金を一緒に包んでも構いませんが、「御車代」「御膳料」は、それぞれ別に包むのが正式なお布施の包み方です。

離檀料とは、寺院墓地において檀家関係を解消するために必要となるお布施のことをいい、公営墓地や民営霊園をはじめ、お寺でもお墓によっては不要なケースもあります。

お布施は市販の不祝儀袋を使用するか、郵便番号の枠がない無地の白い封筒へ濃墨の筆ペンで書いても問題ありません。差出人はフルネームもしくは「◯◯家」と記載します。

お札の入れ方はお香典とは異なり、できれば新札を使用するのが最良です。表面から見て、肖像画が上側の表向きになるように封入しましょう。

墓じまいのお布施について、よりくわしく知りたい方は下記をご覧ください。

↓墓じまいのお布施についてよりくわしく知りたい方はこちら↓

墓じまいの事前準備における10の手順

墓じまいでは当日までに事前準備するべき事項があるため、流れに沿った10の手順について解説します。

①墓じまいについて家族や親族と話し合う

墓じまいでは、後々までトラブルにならないよう、あらかじめしっかりと家族や親族と話し合って、周囲の了承を得るようにしましょう。

②墓地の管理者へ墓じまいの相談をして承諾を得る

墓じまいの手続きは、墓地の管理者の許可なく勝手におこなうことはできません。円滑に墓じまいを進めるためにも、事前に相談のうえ承諾を得てください。

③納骨されている遺骨の供養方法を決める

お墓へ納骨されている遺骨は、次の3つのいずれかの供養方法から選択して対処します。

永代供養

永代供養とは、お墓を所有することなく、遺骨の管理や供養を霊園や寺院へ委託する仕組みのことをいい、近年最も人気のあるお墓のタイプでもあります。

新たにお墓を購入した方のうち全体の約65%が跡継ぎのいらない永代供養墓を選んでおり、永代供養は費用や維持管理の負担を削減できることが最大のメリットです。

永代供養

遺骨は細かくパウダー状に粉骨すれば、海洋散骨や山林散骨などによって、自然環境へ還すことも可能です。

ただし法律上、遺骨はお墓へ埋葬・納骨しなければならず、散骨では遺骨を土をかけずにあくまでも撒くことが原則となるほか、地域の条例などにも注意しなければなりません。

手元供養

遺骨は自宅で安置して供養することも可能なため、改葬先が決まるまでの期間は身近で手元供養しても問題ありません。

自宅の庭などへ埋葬することは法律で禁じられているため、室内の湿気が少ない場所で保管するとともに、将来的には永代供養などの対処が必要なことを理解しておきましょう。

④墓じまいの工事業者を決める

墓石の解体撤去工事には、ユニック車などの重機が必要となるため、墓じまいの作業は石材店や工務店などの専門業者へ委託します。

霊園や墓地によっては、指定業者が決められている場合があるため事前に確認し、見積もりを取得のうえ、費用や内訳をしっかりと確認してから契約してください。

⑤改葬許可申請の手続きをする

墓じまいでは、改葬許可申請の行政手続きが必要となるため、次の手順で改葬許可証を入手します。

・墓じまいするお墓を管轄する役所から『改葬許可申請書』を入手して必要事項を記入する。

・墓じまいをするお墓の管理者から『埋蔵(埋葬)証明書』(所有者以外の方は『改葬承諾書』も必要)を入手する。

・改葬先のお墓の管理者から『受入証明書』を入手する。

・役所へ必要書類を提出して『改葬許可証』を発行してもらい新たな納骨先へ提出する。

⑥僧侶手配と閉眼供養の日程決定

閉眼供養に向けて、お付き合いのあるお寺と相談のうえ日程を決定します。遅くとも2週間前までに日程を決められるよう、早めに依頼するようにしましょう。

とくに寺院は、お盆や春と冬のお彼岸が忙しいため、急な依頼やスケジュール変更で迷惑をかけないようにご注意ください。

⑦墓じまいと改葬や散骨の日程調整

閉眼供養の日程が決定したら、墓じまいをする工事業者との日程調整をおこない、改葬先や散骨業者へ報告して、納骨や散骨についても日程を決定します。

天候や工事状況によっては、日程が延期・延長するケースもあるため、各業者とは連絡を密に取り合うようにしましょう。

⑧親族へのスケジュール連絡

閉眼供養の日程が決定したら、家族や親族へも速やかに連絡をします。食事の用意をするためにも、参列者の具体的な人数を把握しましょう。

⑨閉眼供養の準備

閉眼供養の当日になって慌てないよう、服装や持ち物はあらかじめ準備をしましょう。

服装

閉眼供養の服装は、参列者全員、喪服を着用することが一般的です。

男性は白いワイシャツと黒いネクタイ・靴下・靴を揃え、女性は黒いストッキングと光沢のない3〜5cmのローヒールのパンプスを揃えましょう。

持ち物

墓じまい当日に必要な持ち物は、次のとおりです。

・掃除道具(雑巾・スポンジ・バケツ)

・お墓参り用品(手桶と柄杓・お線香・ライター)

・仏花・供物

・お布施

・数珠

・ハンカチ

会食の予約

閉眼供養での食事は、一般的な法要の料理と同じように、会席料理や仕出し弁当が最良です。霊園やお寺の会食室のスペースを借りるときは、現地へ予約してください。

お墓の最寄りのお店を予約する際は、駐車場が完備されているなど、交通アクセスについても注意しましょう。

⑩お墓の掃除

お墓の汚れや状態が気になる場合は、前日までに大掛かりな清掃をすませておくと、墓じまいの当日の掃除が簡単で、閉眼供養がスムーズです。

夏は汗をかくことや、冬は雪かきが必要な場合もあります。閉眼供養の当日に喪服が汚れないようにするためにも、お墓はあらかじめチェックしておきましょう。

墓じまい当日のマナーや服装について、よりくわしく知りたい方は下記をご覧ください。

↓墓じまい当日のマナーや服装についてよりくわしく知りたい方はこちら↓

墓じまいの当日の流れでよくある質問

墓じまいの当日の流れでよくある質問をご紹介しますので、気になる内容があればぜひ参考になさってください。

墓じまいを避ける日程は?

お盆やお彼岸は、僧侶や石材店が繁忙期のため、時期をずらすことが好ましく、GWや年末年始も業者の休業日に注意して日程調整しましょう。

なお、墓じまいでは、友引や赤口を避ける方もいますが、六曜は迷信のため気にしなくても問題ありません。

墓じまいはお香典や引き物の準備が必要?

墓じまいでは、基本的にお香典や引き物は不要となっています。

ただし、三十三回忌など、最後の法要となる弔い上げとして閉眼供養をおこなう場合は、通常の年忌法要の法事・法要と同じように、お香典や引き物を準備するのが一般的です。

・祖父母:1万~5万円

・両親:3万~10万円

・兄弟・姉妹:1万~10万円

・その他親族:3千円~3万円

まとめ

墓じまいの当日の流れと準備の手順や、閉眼供養のお布施や服装のマナーなどについてご紹介しましたが、墓じまいでは当日に備えて、事前準備がとても大切です。

墓じまいでとくに防ぎたいのが親戚トラブルですが、親族が満足ができる新たな供養先を見つけることは墓じまいを説得しやすい大きなポイントといえるでしょう。

全国永代供養墓・樹木葬グループでは、希少価値の高い合祀しない永代供養墓をご紹介しており、人気の樹木葬も取り扱っています。

資料請求や見学予約はもちろん、墓じまいのご相談についてもすべて無料で承っていますので、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事の監修者

記事を書いた人の写真

小原 崇裕

2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。