永代供養でも仏壇は必要?仏壇や位牌の役割や処理の方法まで解説
「お墓を永代供養にしたけれど、仏壇はどうしたらいいの?」
「仏壇を手放したいけれど、方法がわからない」
お墓を永代供養にして安心したけれど、仏壇を今後どのようにすべきかというお声が、近年多く聞かれます。
永代供養後の仏壇や位牌を、負担に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、お墓を永代供養にしたあとの仏壇や位牌の取り扱いや手放し方について、故人やご先祖様への供養のかたちとあわせてご紹介します。
供養のかたちに決まりはありません。
最も大切なのは、故人やご先祖様への感謝の気持ちです。
ご自身にあった仏壇と位牌のあり方を、この記事でぜひ見つけてください。
永代供養でも仏壇や位牌は必要?
永代供養にしても、仏壇や位牌は必要なのでしょうか?
お墓を永代供養墓にした場合、ご先祖様から引き継いだ仏壇や位牌をどのようにするべきか、悩む方も多いでしょう。
永代供養にしたあと、仏壇や位牌をどのようにすればよいか、ここからご一緒にみていきましょう。
仏壇や位牌で故人を偲ぶことも供養
お墓を永代供養にすれば、供養が必要なくなるということではありません。
仏壇や位牌に手をあわせ、故人を偲ぶことは大切な供養です。
折々の法要も供養ですが、故人のことを思い、仏壇のなかの故人やご先祖様に、尊敬や感謝の気持ちを伝えることも立派な供養です。
永代供養でも仏壇や位牌は残しましょう
お墓を永代供養にしても、仏壇や位牌は可能な限り残しましょう。
後継ぎがなくお墓を管理できない場合、お墓を永代供養にしてお寺や霊園に先祖のお墓を管理してもらうことは大切なことです。
しかし、仏壇や位牌を手放す必要はありません。
仏壇に手をあわせ、ご先祖様や故人に感謝の気持ちを伝え、自分ができる供養をすることが大切です。
永代供養にして仏壇を処理する3つの方法
仏壇を手放すのはしのびないけれど、後継者もなく仏壇を維持できないという方もいるでしょう。
その場合、仏壇はどのように処分するとよいのでしょうか。
こちらでは仏壇の手放し方について、以下の3つの方法をご紹介します。
①お寺(菩提寺)でお焚き上げしてもらう
②仏具店に引き取ってもらう
③粗大ゴミとして処分する
1つずつくわしくみていきましょう。
①お寺(菩提寺)でお焚き上げをしてもらう
菩提寺があれば、お焚き上げをお願いしましょう。
仏壇の処分は、これまでお世話になってきた菩提寺でお焚き上げ供養してもらう方法が、いちばん望ましいといえます。
近年、地域の事情によりお焚き上げができないお寺も増えていますが、その場合は別の処分の方法を教えてもらうこともできるでしょう。
まずは菩提寺への相談をおすすめします。
菩提寺がない場合でも、仏壇のお焚き上げを実施しているお寺に依頼することで、安心して仏壇を手放すことができます。
②仏具店に引き取ってもらう
つぎに仏具店に仏壇を引き取ってもらう方法です。
仏壇を販売している仏具店は、仏壇の引き取りサービスをおこなっているお店が多くあります。
仏壇の大きさにより引き取り料が異なるため、あらかじめ仏壇の高さや幅、奥行きを調べた上で相談すると話がスムーズです。
仏壇の素材により重さもさまざまなため、素材の種類やおおよその重さを伝えられると、なおよいでしょう。
お店によっては、あとからお焚き上げ証明書などを発行してくれるサービスもあります。
③粗大ゴミとして処分する
最後は、粗大ゴミとして処分する方法です。
実は仏壇は粗大ゴミに出せます。
お寺へでのお焚き上げや仏具店での引き取りサービスと比べ、圧倒的に安く手放すことができますが、仏壇を粗大ゴミにするのは気が引ける方も多いかもしれません。
その場合は、先にお寺や仏具店へ相談してみることをおすすめします。
どのような手放し方が自身にとって望ましいかをいちばんに考え、仏壇の処分方法を検討していきましょう。
永代供養にして仏壇を処理する際の注意点
仏壇を処分する際、気をつけるべき点があります。
仏壇に魂を込める開眼供養をしている場合は、処分する際には魂を抜く閉眼供養を必ずおこないます。
閉眼供養しないまま処分することは、宿った魂ごと処分することになるため望ましくありません。
あとから「ちゃんと供養するべきだった」と後悔することにならないよう、開眼供養されている仏壇は必ず閉眼供養をした上で、それぞれの選択肢で手放しましょう。
永代供養にして仏壇を処理したあとの位牌の扱い方
仏壇を手放したあと、位牌はどのようにすればよいのでしょうか。
故人の魂が宿った位牌の扱い方について、お困りの方も多いでしょう。
長く引き継がれた仏壇には数多くの先祖位牌が祀られているケースもあり、仏壇の処分後の位牌についてお悩みの声も多く聞かれます。
こちらでは、永代供養にして仏壇を処理したあとの位牌の扱い方について、3つの方法をご紹介します。
①お寺でお焚き上げしてもらう
②お寺に一時的に預ける
③位牌も永代供養にする
仏壇処分後の位牌の取り扱い方について、以下でくわしくみていきましょう。
①お寺でお焚き上げをしてもらう
1つ目は、仏壇と同様にお寺でお焚き上げしてもらう方法です。
位牌は開眼供養されているため、必ず閉眼供養が必要です。
菩提寺があればまず菩提寺に連絡し、位牌の閉眼供養について相談しましょう。
菩提寺がない方でも、位牌のお焚き上げ供養をおこなうお寺に依頼すれば問題ありません。
お経をあげ魂を抜き、そのあとお焚き上げしてもらう流れが位牌の手放し方として、望ましいかたちです。
②お寺に一時的に預ける
位牌をお寺に預けるという選択肢もあります。
位牌を処分するか迷っている場合や、仏壇処分後に自宅に位牌を置いておけない事情がある場合などに、お寺に一時的に位牌を預かってもらう方法です。
菩提寺があれば、まず菩提寺への相談がおすすめです。
菩提寺がない場合は、位牌の預かりをおこなっているお寺に依頼しましょう。
預かり料が発生しますが、お寺で預かってもらえれば安心です。
③位牌も永代供養にする
最後に、位牌も永代供養にする方法をご紹介します。
位牌の永代供養とは、お寺のなかやお寺の墓地などにある位牌堂に先祖位牌を安置し、永代供養してもらう方法です。
檀家の位牌を祀ることが多い位牌堂ですが、近年は檀家以外の位牌も引き受けてくれるお寺が増えてきました。
永代にわたり安置できる位牌堂もあれば、定めた期間を過ぎるとお焚き上げとなるなど、供養の期間はさまざまです。
また、個別型の永代供養墓のなかに一緒に納められるなど、お寺や霊園により安置のかたちは違いますので、希望にあった供養をしてくれる位牌堂を探しましょう。
永代供養や仏壇でよくある質問
永代供養や仏壇の処分などは、なかなか機会がないことです。
それだけに、悩むことや戸惑うことも少なくないでしょう。
こちらでは永代供養や仏壇、位牌に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
永代供養やそのあとの仏壇の在り方について、ぜひ参考にしてください。
仏壇の永代供養の費用はいくらですか?
仏壇を永代供養する必要はありません。
仏壇はできれば手元に置いて、日々を共に過ごすことが望ましいですが、事情により手放さざるを得ない人もいるでしょう。
その場合は、『永代供養にして仏壇を処理する3つの方法』を参考に処分方法を検討するとよいでしょう。
永代供養後の仏壇はどうすればいいですか?
永代供養後もできるだけ、仏壇は残したほうがよいでしょう。
負担のない範囲でお花やお線香を手向け、故人や先祖に手を合わせて感謝を伝えることも大切な供養です。
くわしくは『永代供養でも仏壇や位牌は必要?』でも、永代供養後の仏壇について解説しています。
位牌なしで永代供養はできますか?
位牌がなくても永代供養はできます。
基本的には、位牌は仏壇などに置き、骨壷や骨袋に入った遺骨のみを永代供養墓に安置します。
位牌がなければ永代供養にはならない、ということではありませんので安心してください。
墓じまいしたあとの仏壇はどうすればいいですか?
お墓と仏壇は別のものです。
そのため、墓じまいしたあともお仏壇や位牌は可能であればそのまま残し、負担のない範囲でご先祖様や故人に手をあわせ感謝の気持ちを伝える生活が理想です。
しかし、さまざまな事情で手元に仏壇を残せないこともあるでしょう。
そのような場合は無理をせず、お気持ちに添った方法で仏壇を手放すことをおすすめします。
『永代供養にして仏壇を処理する3つの方法』や『永代供養にして仏壇を処理した後の位牌の扱い方』で、仏壇の処分方法とその後の位牌の取り扱いかたについて、それぞれくわしくご紹介しています。
まとめ
永代供養のあとも、仏壇や位牌は可能な限り残しましょう。
人生の節目に報告をしたり、悩みを打ち明けたりと、お墓と同様に仏壇はご自身の拠りどころになっていることも多いのではないでしょうか。
大切なのは形式ではなく、故人とご先祖様への感謝の気持ちです。
ご自身にあったかたちで、永代供養後も仏壇は残していきましょう。
全国永代供養墓・樹木葬グループでは、全国の寺院・霊園での永代供養をご紹介しております。
後継者がいない、ご家族に負担をかけたくないといったお悩みを持つ方のご相談に、経験豊富なスタッフがお応えしています。
永代供養についてくわしく知りたい方は、お気兼ねなくお問い合わせください。
この記事の監修者
小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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