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自然葬とは?特徴・種類・費用までくわしく解説します

近年、自然葬は「死後は自然に還りたい」「お墓に関して子や孫に負担をかけたくない」と考えている人から注目を集めています。この記事では、自然葬とは何か、なぜ自然葬が注目されているのか、自然葬の流れや費用までくわしく解説します。

自然葬とは?

自然葬とは、石のお墓ではなく海や山などの大自然に遺骨を還す埋葬方法のことです。主に、樹木葬や海洋葬、散骨などをまとめた総称として使われます。近頃、自然葬を選ぶ方が年々増加してきており、日本最大級のお墓の情報サイトによると、2023年には51.8%の人が自然葬の1つである樹木葬を購入しています。2018年までは、約半数の方が昔ながらの石のお墓を購入していましたので、ここ5年で特に注目を浴びていることが分かります。

自然葬が注目されている背景

どうして自然葬が近年注目されるようになってきたのでしょうか。理由の1つとして考えられているのが少子化と核家族化です。ひと昔前まで「亡くなったら先祖代々、同じお墓に入る」という考えが主流で、お墓は代々受け継がれてきました。しかし、お墓の後継者が減ってきていることや家族が別々に暮らしていることがお墓の継承と管理を難しくしており、子供や孫にお墓に関する負担をかけたくないと考える方が増えてきました。それにともない、お墓を必要としない自然葬を選ぶ方が増えてきました。

また、お墓に対する考え方の変化も自然葬への関心が高まっている理由の1つです。近年、個人の人生のスタイルや考え方を尊重する方が増えてきており、自然葬は、「死後は自然に包まれて眠りたい」「自然に配慮しながら埋葬されたい」と自分らしいかたちでの最後の旅立ちを望む方に選ばれています。自然葬の特徴が、多様な人々のニーズと合致しており、広く支持を得ています。

自然葬と一般墓(従来の石のお墓)の違い

自然葬と従来の一般墓ではどういった違いがあるのでしょうか。一般墓と自然葬では、費用に違いがあります。一般墓の費用相場は100~350万円と言われているのに対して、自然葬の一般的な費用相場は5~100万円です。自然葬では、墓石を用いることがないため費用を抑えられる傾向にあります。

また、お墓の維持管理にも違いがあります。一般墓では先祖代々、お墓の後継ぎが必要であり、後継者はお墓の掃除や管理費を毎年支払う必要がありました。一方で自然葬は後継ぎを必要としない埋葬方法です。

自然葬の種類とメリット・デメリット

具体的な自然葬の内容を確認していきましょう。自然葬は遺骨を土に埋葬する樹木葬と、遺骨を粉状に細かく砕き自然に撒く散骨に分かれます。特に代表的である樹木葬、海洋葬、空中散骨それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説いたします。

樹木葬

樹木葬とは、最も注目を浴びている自然葬で、樹木の近くや土のなかに遺骨を埋葬します。樹木葬のなかにも種類が多く、樹木を故人の目印として用いたり、埋葬場所が草花に囲まれているようなものがあります。樹木葬は、従来のお墓と同じ法律上の扱いになっており、墓埋法が適用されます。墓地として認可を受けた土地や山林でないと埋葬をおこなえず、野山などどこへでも自由に遺骨を埋めることができる訳ではありません。

ほかの自然葬と比べた樹木葬のメリットは、お参りに行きやすい点です。「庭園型」と呼ばれる樹木葬は、駅から徒歩圏内などアクセスのよい場所が多い傾向にあります。また、樹木が故人の目印になるため、「故人がここにいる」という遺族の安心にもつながります。

樹木葬のデメリットは、遺骨が自然に還れない場合がある点です。なかには、カロート(石製の納骨スペース)のなかに遺骨を埋葬するケースもあります。この場合、遺骨が土に触れず従来のお墓と同じかたちで埋葬され、本来の意味で自然に還ることは難しいかもしれません。

海洋葬(海洋散骨)

海洋葬は、遺骨を海に撒く散骨方法です。海洋散骨と呼ばれることもあります。一般的には沖合までクルーザーで行き、船上で散骨や献花、黙とうをおこないます。遺族だけで散骨をおこなう個別散骨、複数の家族が一緒の船に乗る合同散骨、遺族は船に乗らず散骨を業者に依頼する委託散骨の3種類があります。現在、散骨に関して明確には法律で規定されていません。そのため、一般社団法人日本海洋散骨協会がガイドラインを策定しており、ルールやマナーを規定し海洋散骨を請け負う事業者への呼びかけをおこなっています。

海洋散骨のメリットは、故人とお別れをするセレモニーを海上で全ておこなえる点です。海が好きな方に特に選ばれており、オプションが多く納得したかたちで故人を見送ることができます。

海洋散骨のデメリットは、「海に故人がいる」という漠然としたイメージしか残らない点です。「遺骨が残らない」「墓地や遺骨がないため、お参りをどこにすればよいか分からない」などのように遺族に寂しさが残ることも考えられます。

空中散骨

空中散骨とは、空中から海上に向けて散骨する方法です。ヘリコプターや小型飛行機で上空まで行き、環境への配慮から海の上で散骨をおこないます。散骨の前後に、自宅や思い出の地の上空を旋回しながら故人を偲ぶことができます。また、バルーン葬や宇宙葬と呼ばれる似たかたちの空中葬があります。バルーン葬は、風船に遺骨を入れ地上から飛ばす方法、宇宙葬はロケットで月まで遺骨を飛ばしたり、人工衛星に搭載する方法です。海上散骨のように、法律で規定されていないため、注意が必要な遺骨の供養方法です。

空中散骨のメリットは、故人と空でお別れができる点です。空が好きな方に特に選ばれており、高い場所からみんなを見守りたいなどの故人の遺志を叶えることができます。

空中散骨のデメリットは、業者を選ぶことが難しい点です。海洋散骨のようにガイドラインを策定をしている協会がなく、どの業者にお願いをするのか慎重に検討する必要があります。

自然葬の流れ

自然葬は葬儀や火葬から粉骨まで一連の流れとしておこなうため、自然葬に対応してくれる業者を選び、場所や日程、形式を決めます。一般的な流れは以下のようになります。

①自然葬の形式を決める

樹木葬や海洋葬、空中散骨の中から、故人や遺族の要望に沿った形式を選びます。その際、家族との相談や現地の事前見学は必ずしましょう。「故人は先祖代々のお墓に入る」という考えが主流だったなか、お墓を持たない埋葬方法である自然葬は、家族から同意を得られない場合があります。また、想像と違ったという後悔を防ぐためにも実際に足を運び見学をおこない、埋葬後までイメージをすることが重要です。

②業者もしくは墓地・霊園を選ぶ

形式を決めたあと、要望を叶えてくれる業者、または墓地・霊園を探します。散骨の場合は、実績のある業者を選ぶか、協会に認定されている業者を選ぶことがおすすめです。散骨でも樹木葬でも、契約の前にプランの内容や費用、注意点について必ず疑問点を解消しておきましょう。

③葬儀、火葬をおこなう
葬儀、火葬を執り行った後に、遺族もしくは業者が遺骨を引き取ります。海洋葬や空中葬では特に必要な公的書類はありませんが、樹木葬の場合は埋葬許可証が必要になります。火葬場や役場にて受け取りましょう。

④粉骨する
多くの業者が、自然葬のプランに組み込んでいます。粉骨を遺族が一緒におこなえるプランか、業者に任せるプランどちらがよいのか選びましょう。

⑤埋葬・散骨する
樹木葬の場合、遺骨と埋葬許可証を持参し、埋葬場所へと向かいます。散骨の場合は、遺骨とともに集合場所へ向かいます。散骨後には、散骨場所が記載された「散骨証明書」が発行されます。お参りの際に故人の居場所の目安になりますので、大切に保管しましょう。

自然葬の費用

樹木葬の場合、埋葬方法によって費用相場が異なり、個別安置型で40~100万円、合祀型は5~30万円、合葬型は20~50万円です。金額に大きく幅があり費用のくわしい内訳が気になる方は以下の記事をご覧ください。

↓樹木葬の費用相場に関する記事↓

海洋葬の場合、個別散骨で約20~40万円、合同散骨は約10~20万円、委託散骨では約5~10万円が相場です。

空中散骨の場合、約30~60万円が相場となります。バルーン葬では、乗り物のチャーター費がない分約20~30万円と価格は抑えられますが、一方で宇宙葬は、約100~250万円と高額になります。

追加オプションやセレモニーの内容によって料金が変わってきますので、希望する内容を考え費用について詳しく調べてみましょう。

まとめ

自然葬は、海や山などの自然に遺骨を還す埋葬形式です。故人が自然に還れるだけでなく、従来の石のお墓よりも費用を安く抑えられる、お墓の後継ぎが必要ないという特徴からも注目されています。海洋葬、空中散骨のように自然葬には種類がありますが、特に選ばれているのが樹木葬です。以下の記事では、樹木葬が具体的にどんなお墓なのか解説していますので、ぜひご覧ください。

↓「最も選ばれている自然葬である樹木葬」についてくわしく知りたい方はこちらへ↓

この記事の監修者

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小原 崇裕

2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。