家族の一員であるペットのお墓と永代供養についてくわしく解説します

大切なペットを亡くし、供養方法で迷う方も少なくありません。そんななかで考えておきたいのが、ペットの供養や埋葬するお墓の現状です。お墓の形態は昨今ますます多様化しており、永代供養墓や樹木葬、霊園や散骨など、さまざまな選択肢があります。
この記事では、悔いの残らない選択をするためにぜひ参考にしていただきたい、ペットの供養の流れやお墓の種類について、くわしく解説します。
ペットのお墓とは

ペットのお墓とは、家族の一員として大切なペットを供養するための特別な場所であり、遺骨を埋葬し、安心して永遠の眠りにつくことのできる場所です。お墓に石碑や樹木、花などを飾ることで、ペットの思い出を永く伝えることができます。
ペットのお墓の現在
ペットは家族の一員として大切にされており、現在では人間と同じように供養することは自然な考え方となっています。また、最近では、ペットと一緒に入れる区画、霊園やお寺の敷地内にペットの永代供養墓がある場所が増えている傾向にあります。理由としては、家族の一員として大切に過ごしてきたペットと一緒に眠りたいという考えの方が増えてきているためです。
供養してあげたいという、今までの感謝の気持ちなど情緒的な要素だけでなく、お参りができなくなったとしても永遠に供養されるような機能的な要素も備えられてきているのも現状です。美しい環境やアクセスのよさなど、飼い主が安心して供養できる場所として整備されたお墓は、愛情と思い出を大切にする方々にとって、心地よく存在感のある重要な役割を果たしています。
ペット供養(ペットが亡くなった際)の流れ

ペットが亡くなってしまうのは、とても辛いものです。しかし、どれだけ辛くても考えなければならないのが、ペットの供養です。飼い主としてしっかりと後悔なくお別れするために、ペットが亡くなった際の供養の流れを確認しておきましょう。
火葬・葬儀
ペットが亡くなった場合には、人と同じように安置し、遺体を火葬します。葬儀はペットとの最後のお別れの場であり、家族や友人と一緒にペットを偲ぶ時間です。葬儀の形式や内容は、飼い主の希望やペットの種類によって異なります。祭壇に花を飾ったり、お経の読み上げや焼香などの儀式をおこなったりして、ペットが安心して旅立てるように、これまでの思いを込めてお別れの言葉を伝えましょう。
火葬はペット霊園や火葬場でおこなわれることが一般的です。火葬が終わったら、立ち会った家族が遺骨を骨壺へ収骨します。
納骨
葬儀が終わったあとは遺骨を納骨することが一般的です。納骨は専用の霊園や墓地でおこなわれ、遺骨をお墓や納骨堂に収めます。
家族の世代が変わり、お墓参りに行けなくなったとしても、供養を続けるためには、永代供養墓地を利用することも選択肢の一つとなります。永代供養墓地は、供養が永続的に行われる場所であるため、家族の一員として世代を超え、ペットの存在を記憶する特別な場所となるはずです。
ペットのお墓(供養)の種類

時代の変化にあわせてお墓事情も変化しており、ニーズに応えるために、さまざま種類が増えています。ここでは、主な5つのお墓をご紹介します。
手元供養
手元供養とは、文字通りペットの遺骨を自宅で大切に守りながら「手元」で供養する方法です。
自宅の庭に埋葬したり、仏壇や専用のスペースに骨壺を安置する方法が一般的ですが、近年では遺骨の一部をアクセサリーやメモリアルグッズに加工して身近に置いておくなど、様々かたちで「そばにいる存在」として偲ぶことができます。
ペットの永代供養墓
永代供養墓は、ペットの遺骨を永久に供養するためのお墓を指します。永代供養墓に遺骨を納めることで、家族の一員として敬い続けることができます。次の世代の家族に移り、供養をおこなうことができなくなっても、永遠にお寺が供養をおこなってくれます。
永代供養墓は専門の管理体制が整っており、墓地や霊園の管理・維持が行き届いています。そのため、供養場所を常に手厚く保ち、お参りに来られなくなっても長期にわたって供養し続けることができます。また、近年ではペット専用の永代供養墓だけでなく、家族と一緒に入れる永代供養墓も出てきています。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりに、樹木を植えて供養する方法です。しかし、近年では草木や花などで彩られた庭園風のものも増えてきています。自然のなかで遺骨を埋葬し、墓石を建てるよりも費用が安く、後継者がいなくてもよいところが、選ばれる理由の1つです。
また、 樹木葬では、埋葬地に樹木の成長を記念する記念碑を設置することもできます。ペットの名前やメッセージを刻んだ石碑などを立てることで、思いを永く伝えることが可能です。ペット専用の樹木葬だけでなく、家族と一緒に入ることのできる樹木葬も永代供養墓と同様、増えてきている傾向にあります。
ペット霊園
ひと昔前に注目を集めていたのが、専用の墓地や施設を提供し、ペットの供養をおこなうペット霊園です。供養に関するさまざまな施設やサービスが提供されていましたが、値段が高く管理が難しいことから、現在では衰退してきています。
海洋散骨
海洋散骨とは、ペットの遺骨を海に返し、自然の一部として永遠に安らかに眠ることのできる供養方法です。ただし、海洋散骨は一般的に特定の海域のみで実施されます。海洋散骨をおこなうには、船舶やボートを利用して、適切な場所へ移動しなければなりません。時間、手間、そして費用がかかるため、広く普及していません。また、どこでお参りすればいいかわからないなど寂しさを後々感じる方も多くいます。
ペットを永代供養するメリット・デメリット

ここからはペットを永代供養する場合のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
- お参りに行けなくなっても供養が続く
管理主体(寺院・霊園)が永続的に供養してくれるため安心です。
- 後継者を必要としない
永代供養は将来の負担を家族に残さない選択肢として選ばれています。
- 費用が比較的明確
基本的に長期的なランニングコストが発生しないため、契約時点で確定的な費用がわかることが多いです。
- ペットの存在を永く記憶できる
共同墓でも個別墓でも、名前を残せるプランもあります。
デメリット
- 個別の墓石を持てない場合がある
お墓のタイプによっては一つひとつのお墓が存在しないケースもあります。
- 遺骨を自宅に持ち帰れないことが多い
永代供養墓に納めた後の遺骨は基本的に持ち帰れません。
- 費用に幅がある
プランによって費用に幅があるため、事前に詳細を確認しましょう。
ペットを永代供養する場合の費用

永代供養の費用は供養の形式によって大きく異なります。主に「合同供養」と「個別供養」があるため、それぞれの特徴と料金目安を紹介します。
合同供養
合同供養とは複数のペットの遺骨をまとめて供養する方法です。
費用を抑えたい人や、個別の墓石が不要な人に選ばれています。
料金目安は、5千~3万円ほどであり、比較的安価な価格帯で永続的に供養が可能です。
個別供養
個別供養とは、1体ごとに区画や骨壺スペースを設ける方法です。
個別に名前を残したい人や、できるだけ手厚く供養したい人に向いています。
料金目安は5~30万円と合同供養に比べると高い傾向にあります。
| 永代供養の方法 | 料金目安 |
| 合同供養 | 5千~3万円 |
| 個別供養 | 5~30万円 |
ペットと一緒に入れるお墓について

ペットの永代供養が多くなっているなか、飼い主とペットが一緒に入れる永代供養墓も出てきています。ペットと一緒に入れるお墓では、通常の家族墓地や永代供養墓地に、ペットの遺骨を納めることが可能です。ペットと共に眠ることで、飼い主とペットの絆が続くことを、願うことができるため人気を集めています。
しかし、まだまだペットと一緒に入れる永代供養のお墓は数が限られているのが現状です。ペットと一緒に入れるお墓を選ぶ際には、各墓地や寺院のルール、条件を確認する必要があります。また、お墓のスペースや料金、管理などについても、事前に確認しておくことが重要です。
この記事の監修者
小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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