曹洞宗の永代供養とは?|永代供養墓と墓じまいから改葬までを解説
「曹洞宗でも永代供養はできる?」
「墓じまいってどうやるの?」
曹洞宗にかかわらず、近年永代供養を選ぶ方が増えています。
永代供養とはなにか、どのような人が永代供養を選んでいるのか、この記事でみていきましょう。
墓じまいと改葬、永代供養を検討される方に参考にしていただけるようくわしく解説します。
曹洞宗の永代供養とは
永代供養は宗派により違いがあるものではなく、宗派を問わずにおこなえる新しい供養方法です。
永代供養とはなにか、永沢供養墓とはどのようなものか、こちらでご紹介します。
永代供養とは
永代供養とは、寺院や霊園が永代にわたってお墓の管理と供養をおこなうことをいいます。
お墓を継ぐ家族がいない、お墓の維持管理ができなくなったという方に代わり、お墓の管理に加えて供養も任せることができるため、近年永代供養を選ぶ方が増えています。
↓永代供養についてよりくわしく知りたい方はこちら↓
永代供養墓とは
永代供養墓にはさまざまなかたちがあります。
屋内施設の納骨堂をはじめ、マンション型といわれる個別安置墓、近年話題を集める樹木葬も永代供養墓の1つです。
曹洞宗の永代供養|曹洞宗とは?
禅宗の1つである曹洞宗とはどのような宗派なのでしょうか。
鎌倉時代に開かれた曹洞宗の歴史と教えを解説します。
曹洞宗の歴史
曹洞宗はいまから800年ほど前、道元禅師が中国で学んだ教えを日本に伝え、瑩山禅師が日本全国へ広めました。
福井県の永平寺、神奈川県の總持寺に本山があり、全国に14,000以上の寺院を有する宗派です。
曹洞宗の教え
曹洞宗は「禅」の教えを大切にしています。
ひたすらに坐禅を組み経を読むこと、それこそがお釈迦様の姿であると道元禅師は人々を導きました。
自身のなかにある仏の姿を大切にし、お釈迦様と共に在ることが喜びであると、曹洞宗の教えは説いています。
曹洞宗の永代供養のメリット・デメリット
永代供養は、費用が抑えられる、供養と管理を任せられるというメリットがある反面、合祀の場合はあとから取り出すことができないなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットをしっかりと理解し、よりよい供養方法を選んでいきましょう。
メリット1. 管理と供養を任せられる
永代供養のいちばんのメリットは、お墓の管理と供養を任せられることです。
お墓を継ぐ人がいない、または子供に負担をかけたくないと考える方に永代供養は大きなメリットがあるといえるでしょう。
メリット2. 費用を抑えられる
個々の墓石や区画を持たない永代供養墓であれば、費用は大きく抑えられます。
また、永代供養墓の多くが年間管理費などが発生しないため、あとあとの費用負担もないことがほとんどです。
メリット3. 宗旨宗派不問で好きな場所を選べる
宗旨宗派不問の永代供養であれば、全国どこでも好きな場所を選ぶことができます。
曹洞宗寺院にこだわることなく、お好みの景色や立地で永代供養先を決定して問題ありません。
デメリット1. 永代供養への理解を得られない場合がある
新しい供養方法である永代供養では、合祀や共有のモニュメントへのお参りなどに抵抗を持つ方も少なくありません。
永代供養を検討する際は、家族や親族に永代供養について理解を得ることが重要です。
デメリット2. 納骨できる人数に上限がある
永代供養墓の多くはスペースに限りがあるため、納骨できる人数に上限があります。
そのため、あとから納骨人数を増やしたくてもできないケースが多いといえます。
デメリット3. 合祀後は他の人と遺骨が混ざり取り出せない
合祀墓は他の方々と遺骨が混ざるため、あとから遺骨を取り出すことができません。
合祀墓以外の永代供養墓であっても、一定期間経過後は合祀になるケースが多いため、合祀に抵抗がある場合は、合祀されない永代供養墓を選択すると安心です。
↓永代供養のメリット・デメリットについてよりくわしく知りたい方はこちら↓
曹洞宗の人が永代供養をおこなう3つの方法
曹洞宗の人の永代供養にはどのような方法があるのでしょうか。
本章では、曹洞宗の人の3つの永代供養方法についてご案内します。
1. 永代供養墓のある曹洞宗のお寺を探す
菩提寺やお付き合いがあるお寺があれば、永代供養墓があるか問い合わせてみましょう。
お付き合いがあるお寺がなくても、同じ曹洞宗の寺院であれば、供養と管理をお任せするにも安心感が大きいといえます。
2. 曹洞宗の本山納骨をする
曹洞宗には、福井県の永平寺、神奈川県の總持寺の2つの総本山があり、それぞれの本山で永代供養が可能です。
永平寺では50年間の永代供養、總持寺には永代合葬墓があります。
詳細については下記にお問合せください。
▶曹洞宗大本山永平寺の本山納骨についてはこちら
▶曹洞宗大本山總持寺の本山納骨についてはこちら
3. 宗旨・宗派不問の寺院墓地や霊園の永代供養墓を探す
宗旨宗派不問の永代供養墓であれば、全国どこでもお好きな場所から墓地を選ぶことができます。
お好きな場所、お参りに行きやすい場所など、希望の条件で予算にあう永代供養墓を探すとよいでしょう。
曹洞宗の永代供養|6種類の永代供養墓と費用相場
永代供養墓は複数の種類があり、それぞれ埋葬方法やお参りの仕方が異なります。
それぞれのお墓の特徴をしっかり理解したうえで判断することが重要です。
こちらでは人気の樹木葬をはじめ6種類の永代供養墓と費用相場をご紹介します。
合祀・合葬墓(石材型)
【費用相場 5~30万】
合祀・合葬墓は、骨壷から遺骨を取り出し、他の方々と同じスペースに埋葬する方法です。
個別のスペースを必要とせず、モニュメントや墓誌も共有であることがほとんどのため、永代供養墓のなかでも費用は最も安価といえるでしょう。
費用は抑えられますが、合祀はほかの方々の遺骨と混ざることに抵抗を持つ方も少なくありません。
また、あとから遺骨を取り出すこともできなくなるため、合祀墓は慎重な検討が必要です。
集合墓(石材型)
【費用相場 20~50万】
集合墓は骨壷のまま共有スペースに埋葬されるお墓です。
お参りは合祀・合葬墓と同じく、共有のモニュメントや墓石に手をあわせることが多いお墓です。
一定期間後に合祀される場合が多いため、合祀に抵抗がある方は契約内容に注意し判断しましょう。
個別安置墓(石材型)
【費用相場 50~120万】
個別安置墓は完全個室のスペースに埋葬されるお墓です。
個人または複数人で個別のスペースに埋葬が可能なため、人気の高い永代供養墓の1つです。
個別安置墓も一定期間経過後は合祀になるケースが少なくないため、抵抗がある方は合祀されない個別安置墓がおすすめです。
↓マンション型の個別安置墓(石材型)について知りたい方はこちらへ↓
樹木葬
【費用相場 5~100万】
樹木葬は、シンボルツリーやガーデン風の草花の下に埋葬される、近年話題を集める永代供養墓です。
合祀・合葬型、集合埋葬型、個別埋葬型などの埋葬方法により、費用相場に差があります。
人気の樹木葬ですが、価格だけで判断した場合希望に反して合祀となってしまったということもあるため、埋葬方法に注意して選ぶ必要があります。
↓個別安置型の樹木葬について知りたい方はこちらへ↓
納骨堂
【費用相場 20~150万】
納骨堂は、屋内施設の専用スペースに納骨されるお墓です。
機械式、仏壇式、ロッカー式などのお墓の形の違いと納骨できる人数によって、費用は異なります。
納骨堂は光熱費や機械点検費などが発生する場合があるため、初期費用以外に管理費がかかるケースがあるため注意が必要です。
永代供養付き一般墓(個人墓)
【費用相場 100~150万】
永代供養付き一般墓は、区画に墓石を建てる従来のお墓に永代供養がついたお墓です。
一般的なお墓の形でありお参りもしやすい永代供養墓ですが、区画と墓石の大きさによっては費用相場以上の予算となり、年間管理費がかかる場合が多いです。
またそれぞれの永代供養墓についてよりくわしく知りたい方は、下記をご覧ください。
↓それぞれの永代供養墓についてよりくわしく知りたい方はこちら↓
曹洞宗の永代供養|墓じまいから永代供養までの8つの流れ
実際に墓じまいをして永代供養へ改葬するまで、どのような流れになるのでしょうか。
本章では、永代供養までスムーズに行える8つの流れを順番に説明します。
1. 家族・親族に同意を得る
先祖代々のお墓は家族はもちろん、親族にとっても大切なものです。
黙って先祖代々のお墓を墓じまいした場合、親族トラブルに発展してしまうケースもあります。
今後お墓の維持管理が難しい、継承者がいない等を説明し、永代供養への理解を得てから動き出しましょう。
2. 永代供養先の選定
家族や親族に同意を得たら、永代供養先を選んでいきましょう。
予算・立地・永代供養墓の種類などを決め、資料請求や現地で見学をして希望にあった永代供養先を決定しましょう。
3. 現在のお墓の管理者へ連絡
つぎに現在のお墓の管理者へ連絡します。
現在のお墓の管理者が菩提寺の場合は、離檀になることが多いため、墓じまいをするという事後報告ではなくまずは相談というかたちで話をするとよいでしょう。
一方的な通達では、これまでお世話になった感謝も伝わらずトラブルにもなりかねません。
墓じまいの検討に至った事情を説明し、永代供養への理解を得られるよう誠意をもって相談から話をはじめていきましょう。
4. 墓石撤去業者への見積もり依頼
墓石撤去解体業者を決定します。
現在のお墓に提携業者があれば、そちらに依頼となるケースもありますが、自身で選定する場合は、2~3社に見積もりを取り、内容を比較し費用相場を把握して決定するとよいでしょう。
5. 自治体への行政手続き
永代供養先への改葬には「改葬許可証」が必要です。
現在のお墓がある自治体で「改葬許可申請書」を入手し、以下の2つの書類を添えて「改葬許可書証」を発行してもらいましょう。
・埋蔵証明書:現在のお墓の管理者が発行
・受入証明書:永代供養先が発行
6. 現在のお墓の閉眼供養
墓じまいでは一般的に閉眼供養をおこないます。
遺骨を取り出す前に墓前で僧侶が読経し、お墓を更地に戻すために魂を抜く閉眼供養を執り行います。
7. 遺骨の取り出し
閉眼供養後、遺骨を取り出します。
一般的には閉眼供養と同日に取り出すことが多いようです。
8. 永代供養先へ納骨
永代供養先へ遺骨を納骨します。
永代供養先で納骨法要をおこなう場合は、僧侶をお招きし読経していただきましょう。
曹洞宗の永代供養で気をつけたい3つのポイント
永代供養や墓じまい、改葬などは、ほとんどの方が経験がないことでしょう。
本章では後悔のない永代供養となるよう、特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。
ポイント①まず総費用を把握
墓じまいから永代供養先への改葬までにかかる費用の総額を把握しておきましょう。
永代供養には永代供養墓にかかる費用のほか、手続きやお布施などの諸費用も必要です。
スムーズに永代供養まで行えるよう、かかる費用を把握し、家族や親族との話し合いからスタートするとよいでしょう。
ポイント②親族とお墓の管理者へは「相談」として話をする
お墓は先祖代々継いでいくものと考える方もまだまだ多くいることでしょう。
永代供養の一方的な事後報告では、同意を得られずスムーズな墓じまいとならないことがあります。
家族や親族へのほか、お墓の管理者が菩提寺であった場合は、まずは相談というかたちで話をするとよいでしょう。
お墓の継承者の有無や、身体的、経済的なお墓の維持管理の負担などを伝え、墓じまいを理解してもらうことが大切です。
ポイント③安さだけで永代供養先を選ばない
安さだけで契約内容をよく理解せずに永代供養先を選んでしまい、合祀後に遺骨を取り戻せず後悔した、という話も実際にあります。
永代供養を選ぶ際には価格だけにとらわれず、先に紹介した永代供養墓の種類や埋葬方法、納骨可能な人数もしっかりと理解した上で選ぶ必要があります。
そのほか、管理費などが追加で発生するかどうかや、お墓の立地やアクセス、宗旨宗派の制限があるかなど、総合的に判断しましょう。
どのような永代供養がご自身に望ましいか、慎重に検討しよりよい永代供養先を選んでください。
まとめ
曹洞宗の永代供養は他宗と予算や流れに変わりはありません。
流れと総費用を把握しこの記事で紹介する注意点に気をつけることで、スムーズな墓じまいと永代供養が行えます。
全国永代供養墓・樹木葬グループでは、宗旨宗派不問の全国の永代供養墓のご紹介をしております。
資料請求や見学のご希望はお気軽にフリーダイヤルでご連絡ください。
この記事の監修者
小原 崇裕
2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。
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