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永代供養の契約書は必要?交わすメリットや確認すべき項目を解説

永代供養の申し込みにあたっては、「契約書がないけれど大丈夫?」と、心配になる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、永代供養では霊園や寺院と「契約書」という名称の書類を交わさないケースが多くあるのをご存知でしょうか。

一方で、たとえ契約書があっても、きちんとした記載内容でなければ、トラブルになる可能性もあるため、気をつけなければなりません。

そこで、永代供養の契約にあたって取り交わす書類の種類や、契約書の確認方法について、知っておくべき知識を解説します。

契約書のひな形や、契約書でよくある質問までご紹介しますので、大切な遺骨の永代供養を安心して任せられるよう、どうぞ参考になさってください。

永代供養の契約書は必要?

永代供養の契約では、必ずしも契約書を交わすとは限りません。霊園や寺院では、申込書の提出によって、『許可証』や「承諾書」が発行されるケースが多いことを知っておきましょう。

というのも、民法による契約とは、申し込みの意思表示に対して相手方が承諾をした場合に成立し、法令に特別の定めがある場合を除き、書面にする必要はないとされています。

つまり、申込書の提出によって承諾を得られたら、たとえ口約束であっても契約は成立したということになります。

しかし、大切な遺骨を預かる立場として、多くの墓地やお寺では、証明書に相当する書類を用意して提示しているため、許可証や承諾書を受け取ったら大切に保管しておきましょう。

また、使用者全体を対象とした「約款」「規約書」「利用規則」といった名称の書類もあり、これらには利用条件や、規則や注意事項などが記載されています。

それぞれの書類の内容はあらかじめ熟読して、不明点や疑問に感じることがあれば、その場ですぐに確認してください。

一方で、永代供養では、契約書があるからといって油断は禁物です。肝心な内容が明記されていなければ、トラブルが起こり得る可能性もあるため注意しなければなりません。

永代供養で契約書を交わす4つのメリット

個別の契約内容の書面化はたいへん重要となり、永代供養で契約書を交わすことには、次の4つのメリットがあります。

・書面化することで契約内容への理解が深まる

・合意したことの証明となりトラブルを未然防止できる

・訴訟における重要な証拠になる

・契約者以外の家族や親族も契約内容を把握できる

書面化することで契約内容への理解が深まる

契約内容を書面化することは、誤解を防ぐ対策や備忘録にもなるうえ、理解を深めることに役立つことが大きなメリットです。

永代供養墓には、樹木葬や納骨堂などのさまざまな種類があり、遺骨の納骨方法や場所、必要な費用や安置しておく利用期間は契約によっても異なります。

永代供養では、合祀(ごうし)によってほかの方と一緒に土へ埋葬する仕組みがあり、一度でも合祀した遺骨は取り戻せないため気をつけなければなりません。

最初から合祀する場合や、一定期間後に合祀、さらに永代にわたって合祀しない納骨しない永代供養墓もあるため、遺骨の安置期間についてはしっかりと把握しておきましょう。

合意したことの証明となりトラブルを未然防止できる

大事な遺骨の管理を委ねる永代供養で、納骨先とのトラブルを回避するためには、契約内容をきちんと書類にしておくと安心です。

正式に契約書として必ず締結するべきなのは、子どものいないご夫婦や、身寄りのいないおひとりさまが生前のうちに葬儀や永代供養の契約をおこなうケースとなります。

第三者へ委託するには「死後事務委任契約」が必要となり、友人・知人へ依頼する際も法的な効力を維持できるため安全です。死後の手続きから火葬・納骨から遺品整理まで委ねられます。

死後事務委任は、弁護士や司法書士へ相談して契約書を締結することが一般的のため、永代供養を契約したあとは忘れずに手続きしましょう。

訴訟における重要な証拠になる

永代供養にあたって契約書を締結することや書面として記録しておくことは、万一の訴訟問題の発生時にも重要な証拠として役立ちます。

金銭はもちろんですが、永代供養で重視すべきことは何よりも大切な遺骨を守ることです。

つまり、預けた遺骨を大事に管理してもらうために、永代供養を委ねた事実を証拠として書類に残しましょう。

一方で、約束を守ってほしいと思うのは霊園や寺院の立場でも同じです。契約書以外にも約款や規約書、利用規則などの記載事項は厳守するようにしてください。

契約者以外の家族や親族も契約内容を把握できる

永代供養を契約した証が書類として保管されていれば、家族や親族も契約内容について把握できるため、ご本人に万一のことがあっても安心です。

近年は生前の終活によって、万一に備える方がたいへん増えていますが、永代供養に関する情報や書類の保管先は、周囲の方に気づいてもらいやすいようにしておくことが大切です。

そのためには、重要な情報をまとめておける便利なエンディングノートへも記載しておきましょう。エンディングノートは書店などで購入するほか、無料でダウンロードもできます。

永代供養の契約書で確認するべき項目3つ

永代供養の申込書や契約書では、間違いや漏れがなくきちんと記載されているかどうか、次の3つの項目について確認しましょう。

・永代供養墓の種類や納骨場所が明記されているかどうか

・個別安置の期間や条件が明記されているかどうか

・費用の内訳と金額が明記されているかどうか

永代供養墓の種類や納骨場所が明記されているかどうか

永代供養墓の種類や納骨場所について、きちんと明記されているかどうかを確認してください。

霊園や寺院によっては、さまざまな永代供養墓を運営しているケースがあり、現在は1ヶ所しかなくても将来的に納骨施設が増える可能性もあります。

遺骨を個別に安置する永代供養墓の場合は、勝手に移動させないためにも、納骨場所が記載されていると安心です。

個別安置の期間や条件が明記されているかどうか

遺骨を土へ還さずに保管しておく永代供養墓の場合、安置期間や条件が明記されているかどうかを確認しましょう。

永代供養墓では、一定期間満了後に合祀するケースが多いため、具体的な期間や条件を確認できると安心です。

費用の内訳と金額が明記されているかどうか

永代供養の費用については、初期費用のみならず、追加費用の内訳品目や、管理費・護持費などの諸経費についても、金額まで記載されているかを確認します。

想定外の費用を請求されないためは、より詳細な内容が明記されていることがポイントです。お金のトラブルに巻き込まれないよう、綿密にチェックしましょう。

永代供養の契約書の項目例

永代供養の申込書や契約書における6項目について、具体例をご紹介します。

・契約者の情報

・契約元の情報

・永代供養墓の種類・納骨場所

・永代供養の期間

・費用の内訳と金額

・費用の支払時期と支払方法

契約者の情報

契約者とは費用を支払う申し込み側に該当し、申込書や契約書では、氏名・住所・連絡先を記載して押印をおこなうことが一般的です。

さらに、納骨対象者の氏名や死亡日、契約者との続柄などの必要項目についても記入が必要です。

また、墓石や銘板などの石材へ彫刻をする際は、戒名や年齢などの記入が必要となり、専用の申込書が用意されているケースも多いです。

契約元の情報

契約元とは永代供養をおこなう霊園やお寺にあたり、契約に関する書類では、墓地の名称と所在地以外や、経営主体となる寺院や公益団体の名称や住所が記載される場合があります。

永代供養墓の種類・納骨場所

永代供養墓に関しては、種類や名称のほか、専用スペースへ個別に納骨するタイプの永代供養墓の場合、区画や納骨場所の記号番号などが記載されています。

なお、永代供養墓には次のような種類があります。

・個別墓(永代供養付き一般墓):個別の墓石が建立されているお墓

・合祀墓・合葬墓:最初から複数名の遺骨を一緒に土へ埋葬

・集合墓:特定の場所へ遺骨をまとめて一括保管

・個別安置墓:屋外の仕切られた場所で遺骨を保管

・樹木葬:自然環境のもとに遺骨を埋葬・納骨

・納骨堂:室内の仕切られた場所で遺骨を保管

個別納骨期間

永代供養で遺骨を合祀せずに骨壺や骨箱で安置する際は、個別納骨の期間があることが多く具体的にいつ満期となり、合祀されるのかを確認しておくことが重要です。

利用期間は、契約日や最初の方(もしくは最後の方)の納骨日を利用開始日として、年数単位で定められている場合と、故人の年忌法要のタイミングを満期とする場合があります。

なお、最近は合祀しない永代供養墓や、預骨の期間を延期できるケースもあるため、その場合は条件についても確認しておきましょう。

費用の内訳と金額

永代供養では、以下のような費用の内訳が必要となるため、それぞれの品目と金額を確認します。

・永代供養料

・納骨法要料

・彫刻料

そのほかの諸経費がある場合はその記載があるか、また管理費等が発生するのかどうかも注意しましょう。

費用の支払時期と支払方法

永代供養における費用は、支払時期と支払方法が定められており、一般的に前払いによる指定口座への振り込みや手渡しによる現金払いが多いです。

もし、定期的に必要となる管理費などがある場合も、時期と支払方法を必ず確認しておきましょう。

↓永代供養の費用についてくわしく知りたい方はこちらへ↓

永代供養の契約書のひな形

永代供養の契約書のひな形を見本としてご用意いたしましたので、どうぞ参考になさってください。

永代供養の契約書でよくある質問

永代供養の契約書でよくある質問についてご紹介しますので、参考になさってください。

永代供養の契約書は生前に取り交わすこともできる?

一般的に多くの永代供養では生前契約に対応しているため、将来に備えて自分自身の永代供養墓を準備することができます。

永代供養墓は実際の現地を比較検討することが重要であるとともに、いざというときに家族の負担を軽減できるため、健康なうちに契約を交わしておくことがおすすめです。

ただし、公営墓地の永代供養では、住まいや遺骨が手元にあるなどの条件をともなうケースが多いです。生前に契約書を交わすなら、民営の霊園や寺院の方が選択肢が多いといえるでしょう。

永代供養の契約書や法律について困ったときは?

永代供養の契約書におけるトラブルや、お困りのことがあれば、お近くの法テラスへ相談してみましょう。

法テラスでは無料の法律相談ができるほか、弁護士や司法書士の費用などを立て替える支援もおこなっています。

まとめ

永代供養で契約書を交わすメリットや確認するべき項目についてご紹介しましたが、契約書という名称の書類が存在しなくても、申込書の提出で承諾を得られれば、契約は成立します。

そのため、見本のような契約書のひな形については大切に保管してください。

全国永代供養墓・樹木葬グループでは、話題の合祀しない永代供養墓や、365日花や緑に包まれる樹木葬をご紹介しています。

生前契約にも対応し、契約にあたってのお悩みや心配事にも無料の個別相談で万全に対応していますので、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事の監修者

記事を書いた人の写真

小原 崇裕

2002年に「NPO法人永代供養推進協会」を設立し代表理事に就任。まだ永代供養が知られていない20年以上前から日本の永代供養墓の普及・推進に努める。年間約1500件の無料仏事相談を受け、エンディングをめぐるお葬式やお墓などへのアドバイスと支援活動に従事。著書に『安心できる永代供養墓の選び方』。シニアライフマネジャー1級。